衰退する買取業者の実情

当サイトでも度々リユース業界の低迷や業績の悪化について取り扱いしていますが、本格的にフリマアプリの猛威が様々な買取業者に飛び火しています。

今朝の東洋経済オンラインでも買取業界にまつわる記事が掲載されていて「ブックオフ」や「ゲオ」「トレジャーファクトリー」など大手買取業者の業績の悪化を取り上げていました。

実際にこうした大手以外にもブランド品専門の買取業者にも不況の波は押し寄せていますが、その中でも「ブランディア」など業績を大きく伸ばしている買取業者も存在するのです。

今回は上記のニュースの内容などを踏まえ、買取業者の目線から経営が好調なお店の実態についても迫っていきたいと思います。

フリマの市場と買取業界との相関関係

買取業界における業績の悪化が起きた理由は大きく分けて二つです。

  • フリマアプリの市場規模の拡大
  • 中国人観光客特需の激減

後者に関しては主に「ブランド品」を取り扱う業者に言えることですが、フリマアプリのシェアの拡大における影響は「古本」や「古着」「ブランド品」などあらゆるものに影響を及ぼしたといわれています。

フリマアプリの市場は「メルカリ」を筆頭に近年爆発的に伸びてきていて、今現在3,000億円以上の市場だといわれています。

中には潜在的なニーズも含まれていたかもしれませんが、当然今まで買取業者へと流れていた分がフリマアプリではCtoCでの取引で売られていくので、業者へのダメージは深刻です。

フリマアプリをジャンルカテゴリごとに細分化するともっとも主要なジャンルは「女性ファッション」で、その次に「書籍・映像・音楽ソフト」となっており、いわゆる古本屋や古着屋といった業者に与えたダメージがもっとも大きいです。

単純にフリマアプリによって物が売れなくなるのではなく、フリマアプリで売られることによって物を仕入れられなくなることが買取業者の不振の直接的な要因になっています。

フリマアプリと買取では層が違うというけども・・・

中にはフリマアプリを利用する人は「高く売りたい層」で、買取業者を利用する人は「手軽に売りたい層」なので両者は相関関係にないと主張する方もいますが、これだけの「ブックオフ」「ハードオフ」「ゲオ」「トレジャーファクトリー」「コメ兵」「大黒屋」など大手業者が業績を落とす中それを主張するのは無理があります。

消費者は「手軽かつ、いかに高く売るか」という天秤にかけた上でフリマアプリを選択するようになってきているのです。

ほぼすべての業者が低迷する中で成長を続ける業者も

実際にぱっと思いつく限り大手の買取業者ほぼすべてが前年比でマイナスを計上しているリユース業界ですが、フリマアプリの猛威にも揺るがず売り上げを伸ばし続ける業者もいくつか存在します。

そのうち「無店舗型」といわれる形態で売り上げを伸ばしているのが「ブランディア」を運営する株式会社デファクトスタンダードと「スピード買取.jp」を運営する株式会社バイセルテクノロジーズです。

無店舗型に特化した買取店は好調

上記した二つの業者は従来のリサイクルショップやブランド買取店とは違い、販売用店舗にせよ買取専用店舗にせよ店舗一切展開していません。

そして買取方法もブランディアは「宅配買取」に特化していて、スピード買取は査定員が直接家まで来てくれる「出張買取」というサービスに特化している点も従来の業者とは異なっています。

宅配買取といえばブランディアになりつつある


ブランディアはここ数年着実に知名度を高めブランド力をつけているといっても良いでしょう。すでに「宅配買取といえばブランディア」というほど多くの方に知られていると思います。

宅配買取に関しては正直どこの買取業者もおこなっていて、宅配買取専門業者も無数にありますし、ブックオフやトレジャーファクトリー、コメ兵や大黒屋などあらゆるジャンルで宅配買取サービスは取り入れられています。

しかしそれでもアパレルやブランド品の宅配買取においてはブランディアのシェアがずば抜けて高いです。査定価格自体決してどこよりも高いというわけではありませんが、利用の手軽さとブランド力でユーザー満足度も高いサービスを展開していることが好調の秘訣です。

宅配買取だけのシェアで大手ブランド品買取業者である「コメ兵」や「大黒屋」「なんぼや」といったところにも引けを取らない売り上げ規模へと成長したブランディアはまさに宅配買取の中ではひときわ目立つ存在です。

骨董品の出張買取ができるスピード買取の強み


もう一つ伸びているところは「スピード買取.jp」というサービスを展開する株式会社バイセルテクノロジーズです。ここは宅配買取ではなく、実際に自宅まで査定に来てくれる出張買取に特化した業者です。

買取ジャンルとしては「着物」や「切手」「古銭」などの骨董品ジャンルです。骨董品に関しては幅広く知識が必要なことで専門家でないと査定することすら難しく、それゆえにリサイクルショップなどでも取り扱いづらい商品です。

当然フリマアプリで売れるようなこともなく、ライバル業者も少ないです。そこに出張買取という速さがウリのサービスと、骨董品を高く売りたいという潜在的なニーズがマッチしたことで業績を伸ばしている買取業者の一つです。

今年に入ってからはタレントの坂上忍を起用したCMを全国放送で流したりとメディアによる露出も活発化していて、フリマアプリの市場とも少し離れていることからまだまだ規模を大きくしていく業者かなと個人的には予想しています。

リユース業界の健全化が進まないと未来はない!?

業界がまずは健全化されないと・・・

上記したように実際に売り上げが伸びしている業者も少なからずあるものの、リユース業界自体が下火になっているのは言うまでもありません。

単純に今までは物を売るときにリサイクルショップや買取業者を利用するしか選択肢がなかったため、多少無理な安値を提示しても買取が成立し商品を仕入れることが可能でしたが、フリマアプリなどCtoCのサービスが普及することで業者に流れてくる品物自体激減しています。

実際この業界には相手が素人とみるや利用者を馬鹿にしたような安値を付ける悪質な買取業者も多数存在しています。

当然高く売りたい利用者と安く買い取りたい業者の意見が食い違うのは仕方のないことですが、それでも取引をより健全化することが業界全体に求められているのではないかと思います。

フランチャイズで店舗を拡大することは業界にとってマイナス

先に挙げたリンク先には「ゲオホールディングス」は自身が運営する古着屋セカンドストリートの店舗を年間100店ペースで拡大を進めていくとありました。そこでネックになるのがフランチャイズチェーンによる店舗拡大です。

フランチャイズチェーンにおいては「ライセンス料」や「中間マージン」が必ず伴います。そもそも買取業者自体中間マージンビジネスですから、フランチャイズの場合は二重にマージンがかかるようなものです。

そしてこれを間接的に負担するのは物を売りたい利用者です。事実フランチャイズチェーン店で買い取り金額が他所より高いというお店はありません。

リユース業界においてフランチャイズチェーン店を増やすことは短期的な売り上げにはつながりますが、利用者の満足度には絶対に繋がりません。それこそ安値で買い叩くことでますますフリマアプリの需要を増やすだけなのです。

高く売りたいからフリマアプリを利用するのは当たり前

高く売りたいから消費者がフリマアプリを利用するのは当然です。実際にフリマアプリの使い勝手も良く、売るときの手間に関しても業者を利用したときとほとんど変わらなくなってきています。

そこで買取業者が生き残るためにはなんらかの付加価値が必要になってきていますが、価格を越える付加価値を生み出すことは困難を極めています。

物の相場もインターネットで調べればすぐにわかる時代だからこそ、今までのような買取業者という業種自体不要になっていくのかもしれません。