今回は私がメルカリでブランド品を購入した際の話です。

メルカリは個人間の取引のため、通常高額な品物が思わぬ安値で買えるケースもあります。

今回私はリサイクルショップや中古ブランド店で売っているより安い値段でルイヴィトンの新作バッグを購入しました。

しかし届いてみたら全くの偽物だったのです。

最終的に無事返金はできたものの、その手口は明らかに詐欺を目的とした悪質なものでした。

メルカリをはじめとしたCtoCのアプリやサービスが流行っている今、偽物が届いた場合どうしたらいいのか?という点を踏まえて、注意喚起のため記事としてまとめてみました。

購入した商品について

まず購入した商品は上記のものです。

わかりやすいように当時のスクショを添付しています。できるだけ時系列に沿っていきたいと思います。

ルイヴィトンの新作バッグ「カンヌ」

このバッグはルイヴィトンの「カンヌ」というバッグです。新作といっても数年前に発表されたモデルで、現行品で売られていて人気も高く定番となりつつあるモデルです。

出典:ルイヴィトン公式オンライン

定価は309,100円で、今もルイヴィトンの公式サイトで販売されています。

人気が高いためか、中古品の相場もかなり高い水準で維持されています。

出典:楽天市場

状態が良い品であれば「25万円くらいが販売相場」となっていて、メルカリで購入した153,000円は安めの金額だとわかると思います。

写真で見る限りは正規品だと判断

メルカリなど個人間で取引される市場においては、偽ブランド品のリスクが高いです。

特に相場より安く売られている場合には注意が必要ですよね。

もちろん私もそんなことは承知しているため、念入りに商品情報を確認しました。

以下実際に商品情報として添付してあった画像です。

商品情報の写真①
商品情報の写真②
商品情報の写真③
商品情報の写真④

私自身ブランド品の鑑定士ということもあり、ある程度は画像でも真贋の判断ができます。

その立場から見ても、上記の写真からは“正規品の可能性が高い”と感じました。

非常に精巧に作られた偽物の場合、外見はほとんど同じ作りをしていて、素材だけが若干違うものもあります。

ただ、そこまでハイクオリティな偽物はあまり多く流通していませんし、メルカリなどで売られている偽物はある程度素人でも見分けがつくような偽物がほとんどです。

そのため、この画像に関しては正規品という印象を受けました。

出品者について

出品者については、下の画像のように新しく作られたアカウントなのか評価がないという状態でした。

メルカリ出品者の情報

この時点でかなり注意しないといけないのですが、コメント欄で「正規品コードがある」と言った発言をしていたため、大丈夫かなと判断しました。

コメント欄での値引き等のやりとり

今思うと「発送元不明」や「発送地域不明」など怪しい点があるので、購入しないほうがよかったな・・・と思います。汗

発送前の出品者とのやりとり

私は基本的に前払い決済(コンビニ支払い)を選択しているため、購入後すぐに支払いをしたところ、出品者からこんなメッセージが届きました。

購入後出品者から誤って発送手続きをしてしまったと連絡が・・・

どうやら、まだ商品を発送していないにも関わらず、誤って発送手続き完了のボタンを押してしまったようです。

メルカリのシステムについておさらいしておくと、

  1. 商品を購入する
  2. 購入者が支払いをする(クレカ払いなどであれば購入した時点で自動的に完了)
  3. 出品者が発送手続きを済ませて、発送完了ボタンを押す
  4. 商品が届き次第、購入者は受取評価をする
  5. 出品者が購入者の評価をする

この流れで取引は進行していきます。

私は発送完了をされたことを特に不審には思っていませんでしたが、これが後々詐欺の伏線だったと発覚します。

取引中に同じようなメッセージが届いた方は、かなり注意した方が良いです。

出品者から届いた実際の商品について

メルカリで届いたルイヴィトンのコピー品

その後商品は、5日後くらいに到着しました。出品者から、特に発送のメッセージなどはありませんでした。

そして届いた品物は偽物でした・・・

粗悪なコピー商品

届いたのが、クロネコヤマトの国際便です。

配送は国際便で届いた

正直この時点で、察した部分もあります・・・

一応出費者の個人情報、名前や住所も記載してありましたが、おそらく偽名なのではないかと思います。

触った感触が安っぽい

実際に触ってみると、柔らかく変な弾力があります。

また、独特な安っぽい人工素材の匂いがします。量販店などで売られている安価な合皮製品の匂いです。

この時点でかなり安っぽい印象を受け怪しいですが、これだけでは確証は持てません。

ロゴが刻印されているタグが斜めになっている

内側にロゴの刻印が施されたタグのようなものが縫い付けられていましたが、これが少し斜めになっています。

この時点で偽物だと確信しました。

細かい点を見てみると、誰にでも見分けられる決定的なポイントは下記です。

革の裏に接着剤のようなものが・・・

タグの裏に接着剤のようなものがはみ出ています。

当然ルイヴィトンのバッグでこんな安っぽい作りはありえません・・・

そもそもルイヴィトンのバッグは縫製で成り立っているため、接着剤が用いられているバッグは基本的にはないと思われます。

コピー品カンヌのストラップの金具刻印部分

細かい部分も一見しっかり「LOUIS VUITTON」と刻印されていますが、よく見てみると粗も見られます。

ブランド品全般に共通して、コピー品を見抜くためには金属の部分をしっかり見ると良いです。

面取りがされていないため、側面が波打っている

金属の部分には粗が出やすく。この場合、鍵の側面が波打ってザラザラしています。(写真だとわかりづらいかもしれません)

側面などを見て、こうしたざらつきがある場合は、面取り作業がされていないということです。

ブランド品の場合、基本的にこういったざらつきが新品状態からあるというのはありません。

結論から言うと、この商品は精巧なコピー品ではなく粗悪なB級コピー品だと言えます。

ポイントを抑えれば、誰でも違和感を持てる程度の品だったため、ある意味不幸中の幸いでした。

写真とは別のものが届いた

このコピー品に関しては、写真が本物だという証明はできないものの、おそらく商品説明の写真は本物で、送られてきたものはコピー品というケースだと思われます。

このように裏面を見ると、写真にはなかったシールが貼られていたりしましたので。

写真にはなかったシールが貼られている

この場合、商品説明の画像は見ても意味がないですよね。

私が写真で本物だと判断して購入したことが、そもそもの間違いだったのです。

出品者は明らかな詐欺を目的としているため、かなり悪質性は高いと感じました。

商品到着後の事務局とのやりとり

商品に関しては、個人的に99%偽物だと判断することができました。

真贋に自身がない方は、評価する前に買取店などで鑑定してもらうのも手だと思います。

評価してしまっては相手にお金が行ってしまうため、コピー品をおもわしきものが届いた場合には、必ず評価する前に鑑定に出したり事務局に相談したりしましょう。

届いてすぐに来た受取評価の催促通知

しかしこの後一番の恐怖だったのが、到着してすぐにメルカリから「受取評価をしてください」という通知が来たことです。(スクショ撮り忘れてしまって申し訳ございません)

これは発送から日数が経って、荷物が来ているにも関わらず評価がされていない。という時に届く通知だと思われます。

そのまま放置していると「自動で受取評価がされる」という表記もあり、偽物が送られてきた私としては恐怖でしかありません。

なぜ到着してすぐにそんな通知が来たのかと考えると、最初に「発想通知を間違えて先に押してしまった」ということが理由でした。

今思うと、この通知を送るために、あらかじめ仕組まれた詐欺の手段の一つなように思います。

中には通知が来て焦って受取評価をしてしまう人もいると考えると、非常に悪質です。

そのため、すぐにメルカリ事務局に問い合わせて相談することにしました。

事務局は偽物には厳しく対処してくれる

マイページの「お問い合わせ」から事務局に相談しました。

問い合わせ内容については取引の流れをまとめて、悪質性が高い詐欺の可能性を主張しました。

  • 届いた商品が偽物の可能性が高いこと
  • 受取評価の催促が来ているが、届いたばかりであること

問い合わせに関しては画像の添付をすることができます。

偽物の判断に関しては、客観的に判断してもらうためにも必ず写真を撮って送る方が良いと思います。

今回は上記項目で説明した偽物のポイントの写真に加えて、海外発送されてきた伝票なども全て添付してメッセージを送りました。

問い合わせした段階で、事務局によって強制的に受取評価をされることはないはずなので、偽物が届いたら焦らず事務局に問い合わせることが重要です。

出品者は到着してすぐにメッセージをしてきたため、少し強めの態度で受取評価をする気がないといった内容のメッセージを送ったところ、あくまで正規品だと主張していました。

あくまで正規品だと主張する出品者

なんとなくですが少し日本語が不自由な印象を受けるため、もしかしたら外国人なのかもしれません。

伝票に記載されていた個人名は普通に日本人女性の名前でした。

メルカリ事務局からの返信を待つ

問い合わせメッセージを送った日の夜に事務局から返答がありました。

翌日に事務局から返信がきた

どうやら写真や取引の情報から「正規品と確証のない商品」と判断してもらえたようです。

返品ができるようなので、出品者からのメッセージを待ちます。

出品者から連絡がない場合にも事務局が対処してくれる模様

翌日になっても連絡がなかったですが、事務局は引き続き対応してくれているようです。

出品者が無視し続けたため取引はキャンセルとなり返金

それでも出品者から何の連絡もなく、問い合わせして二日後には取引はキャンセルとなりました。

取引はキャンセルとなり返金の通知がきた

偽物を再出品することを禁じ、破棄を促すような文面とともに、無事返金されるとの通知がきました。

その後すぐに返金の通知も来ています。

無事返金されたことの通知

これでひとまず取引は終了し、無事返金されました。

手元には偽物だけが残ったという悲しい結末ではありますが、予想以上に早いスピード感で返金されたのでよかったです。

メルカリなどでブランド品を購入するときに事前に注意すべき点をまとめてみる

今回偽ブランド品を購入してしまい、危うく詐欺に引っかかるところだったことを受けて、改めて、ブランド品を購入する時に注意すべき点を考えてみました。

商品画像はあてにせず出品者を見る

今回まず問題だったのは「写真と違う商品が送られてきた」点です。

見返してもやはり商品詳細に添付されている写真からは偽物だと判断することが難しく、差し替えられた可能性が高いと思います。

この点に関しては、商品だけで判断するのではなく、出品者の評価や実績などを参照することが重要です。

今回の出品者は過去の取引の評価がなかったため、偽物を売るための捨て垢だったのかもしれません。

こうした高級ブランド品を販売している出品者であれば、他にもブランド品の販売をしてる可能性もありますし、そうした点もしっかりチェックして総合的に判断することが必要です。

取引の最中に不審な点があったらすぐ事務局に相談

今回は取引中に不審な点がいくつもありました。

まずはじめに誤って発送のボタンを押してしまったという点です。冷静に考えると、誤ってボタンを押すということは考えづらいです。

後々にわかりましたが、発送通知を早めることで、あたかもこちら側が商品到着しているのに評価していないという状況を偽装するためでした。

結果的に見逃していても難を逃れることができましたが、もし偽物の到着がもう少しあとで、その間メルカリのアプリを確認せずに、受取評価催促のメッセージに気づかず、商品到着してすぐや到着前に取引が成立してしまったら・・・と思うと非常に危険でした。

なので、上記のような不審な点があれば、その時点で事務局に相談しておくのも良いかと思います。

商品が届いたのが国際便だったことに関しても、開封前に写真を撮っておいた方が証拠としては確かだったとも感じました。

今回の詐欺手段について考察

取引がキャンセルになり、出品者とも連絡は取れない以上、あくまで考察にはなりますが、今回の詐欺手段についてもまとめてみました。

おそらくですが、この出品者は常習的に詐欺行為を行なっているのではないかと思います。

海外発送だった点から見て、海外通販で偽ブランド品を購入し、それをそのまま送りつける手法だと思います。

  1. 商品が購入されたらすぐに海外サイトで偽物を購入し手配
  2. ミスを装い発送通知を偽造
  3. 海外発送で到着が遅れても自然に思われるよう、発送日を遅めに伝える
  4. 2.が伏線となり、購入者には到着してすぐにメルカリから評価の催促通知が来る

宛名の欄には確かに出品者と思われる名前(偽名だったとしても)が記入されていましたが、それを偽造してくれる海外サイトがあってもおかしくありません。

偽物の流通市場については詳しくないためわからないものの、品質のクオリティから見てせいぜい2万円程度で購入できるものなのでは?と感じました。

もし2万円以上払っていても、15万円で売れればかなり儲かりますからね。

発送通知を偽造したことも、焦って評価させることを促す目的だと考えました。

メルカリは偽物に対してかなり厳しく対処してくれる

今回のメルカリの対応は良い意味で驚きました。

状況証拠はあるものの、一方的に取引をキャンセルし返金対応というのは、他のフリマサイトやオークションではなかなか見られません。

個人間の取引市場では基本的には「当人同士で問題解決してください」というのが一般的だからです。

メルカリは偽物の断絶に力を入れていると提言しているものの、実際に取引に介入してくれる点は偽物を買ってしまった立場としては心強いです。

今回は明らかな粗悪コピー品でしたので、おそらく事務局にも真贋判定ができる鑑定士がいるのだろうと思いました。

手元にコピー品が残った点から見ても、出品者は一方的に損した立場だと思いますし、十分な抑制効果もあるのではないかと思います。

しっかり理由や状況を説明すれば、返品・返金対応をしてくれる点はとても良心的だと感じました。

まとめ

フリマアプリやオークションなどの個人間での取引では、偽ブランド品のリスクは多かれ少なかれ発生します。

今回は無事返金することができましたが、当然ながら購入しないことが一番です。

万が一購入してしまった際にも、冷静になって事務局に相談するようにしましょう。

いまだに泣き寝入りしてしまっている方も多いと思いますが、メルカリはしっかり状況を説明すれば適切に対応してくれます。

経緯が非常に長く、読みづらい箇所もあったかと思いますが、最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでも悪質な詐欺に騙されて泣き寝入りしてしまう減るように、この記事が皆様の目に触れることを願っております。