大量の漫画を捨てる選択肢は・・・

買取業界大手「BOOK-OFF(ブックオフ)」の業績不振は2年ほど前からささやかれていましたが、その流れに歯止めが利かないようです。今朝のYahoo!トピックスにもそのことで記事が上がっていました。

中古古本市場においては圧倒的シェアを誇るブックオフがなぜここまで衰退しているのか、リユース業界全体の流れなども踏まえてお話していきます。

なぜブックオフが経営不振か?

ブックオフが経営不振に陥る理由は皆さんもなんとなくお察しできるのではと思いますが、以下のダブルパンチによる要因がとても大きいです。

  • 電子書籍化による紙媒体の市場縮小
  • フリマアプリによる中古市場の移行

まず一つは電子書籍化による紙媒体の市場自体に需要が減ってきていること。これは出版業界も大きなダメージを受けつつありますし、電子書籍市場は年々大きくなっていっています。単純に紙の本の流通数自体が減ってきています。

もう一つはご存知の通り「Mercari-メルカリ」をはじめとするフリマアプリによる中古市場への影響です。ブックオフは当然売り上げの中心が書籍の買取と販売です。

フリマアプリの流行によって、買取できたはずの本が買取できず、売れたはずの本がフリマアプリで買われるという最悪の影響を受けていると言っても良いでしょう。

ここまでくるとブックオフの売り上げが落ちるのは必然だったようにも感じます。

もちろん何もしていないわけではない

当然なにも対策をしていないわけではありません。近年ブックオフが経営不振に歯止めをかけるべくおこなっていたのは買取ジャンルの多様化です。

ブックオフは創業以来「古本や漫画」の買取と販売で業績を伸ばしていきました。それに伴い「CD」や「DVD」「ゲームソフト」と横展開していったのはご存知のはず。

そして近年ではそれをさらに広めるべく「洋服(ファッション)」「家電」「ブランド品」などあらゆる買取ジャンルを網羅していこうと施策しています。

ブックオフが運営するファッション買取のハグオールでは宅配ボックスや、日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」を利用して買取ができたりと新たな試みもあります。

ほぼ同時期にファッション通販サイトなどもOPENさせています。ここでは買取した中古品だけでなく、新品の訳あり品(アウトレット)などもメーカーなどから仕入れて販売していて、以前の古本屋のイメージからはかなりかけ離れてきています。

本を売るならブックオフ・・・はわかっているが

ですが今のところ上記のような戦略もそこまでうまくはいっていません。電子書籍の件は置いておいて、フリマアプリにこれだけ需要があるというのはユーザーの心理に「高く売りたい」という思いがあるからだと思います。

「本を売るならブックオフ」というイメージがいくら刷り込まれ知名度を高くしても、ブックオフで高く売れるというイメージがなければユーザーの足はそこへは向きません。

これは家電や洋服などにしても一緒です。なおかつ書籍以外のテリトリーにも他の猛者がいるのです。“とりあえず買取してくれればなんでも良いよ”という時代は終わりつつあると、同じ買取業界にいながら肌感覚で感じています。

1円でも高く買取してほしい
(近年一円でも高く買取してほしいユーザーが増えている)

フリマアプリによって中古買取市場は死んだのか?

確実に言えることはフリマアプリ(というよりメルカリ)の登場によって中古市場はほとんどの業種で打撃を受けているということです。最たるところが漫画など手軽に売りに出せる品物です。ブックオフはこの流れをどうにか止めなくてはなりません。

こうなると「より書籍を高く買取すればいい」という意見が出てくると思いますが、これだけはとても難しいはずです。ブックオフは実店舗も大量に構えネットのなどのシステムも大量に組んで、言ってしまえばかなり大規模な買取をしています。ビジネススタイルとしては薄利多売のビジネスです。

買取~販売までには大幅なコストがかかっています。メルカリと同価格で買取はおろか、現状から10%買取価格を引き上げることすら厳しいと思います。

業績を伸ばしている買取業者もある

これだけ悲観的な項目が出揃う買取業界ですが、中には業績を伸ばしている業者もあります。ひとつ挙げるのならば出張買取に特化した「スピード買取.jp」というサービスを展開する「株式会社バイセルテクノロジーズ」です。

ここは電話一本で査定員が自宅まで査定に来てくれる出張買取に特化したサービスで業績を伸ばしています。近年タレントの坂上忍を起用したCMで知った方も多いはず。

仮に買取成約がしなくとも手数料等は一切無料と出張してくれる思い切ったサービスも魅力的でありますが、このサービスの売り上げを支えているのは「着物の買取」ということはあまり知られていません。

着物の鑑定には専門知識もより多く必要で今まで買取業者自体少なかったところに、出張買取という新たなスタイルで自宅に眠る着物を大量に獲得できたというのが成功の秘訣だと思います。

眠っていた着物が高く売れたとあってユーザーの満足度も高いはずです。買取した着物の卸先は日本の着物を好む東南アジアなどの諸外国とされています。

専門分野に特化していない買取業者は潰れていくか

このように専門分野に特化していない限り今後買取業者はどんどん業績を落としていくと思われます。メルカリによって漫画本などはかなりの影響を受けました。ブランド品なども一部の高額商品を除けばかなり広範囲にわたってその影響を受けています。

エルメスなどをはじめとする超高級ブランド品が、フリマアプリで売りさばけるようになるのはまだ少し先だといわれていますが、それまでに買取業界全体で次の一手を考えていかなければならない時期に差し掛かっているように感じます。

ジャンルを横展開していくブックオフが今後どうなっていくのかは気になるところです。