【デパートの外商って？】入手困難なレアなブランド品も買えるって本当？

今回は謎多き「デパートの外商」についてお話していきたいと思います。個人的に直接的な取引や関わりませんが、業界が近しいこともあり知っている知識なども交えてお話していきます。

外商がいれば“レアなブランドモノも手に入れられる”なんて噂なんかはよく聞きますよね。「外商がいるとどんなサービスが受けれるのか？」「どうしたら外商がつくのか？」などの気になることを中心にまとめています。

外商って何だろう？

外商とはデパートの売り場で接客する販売員とは別に、デパートの外で個人や法人に直接デパートの商品を販売する部門のことです。外商が相手にするのは優良顧客のみを対象とした会員のみで、普通に買い物しているだけでは外商と関わることはありません。

会員制ということもあり、一般的にはあまり知られていないかなり閉ざされた世界でありながら、デパート全体の売り上げの2~3割ほどは外商部門が持っているとされていて、かなり大きな比重を占めていることがわかります。

個人外商と法人外商

外商には個人を相手に販売などをおこなう個人外商と、法人のみを相手にする法人外商とで大きく分かれています。

個人外商は「大手企業の関係者」や「地主・資産家」「政治関係者」などが主な顧客で、一般的に外商といって思い浮かべるのは個人外商のほうかと思います。

法人外商は「お歳暮」や「ギフト」「記念品」などの大量発注、大量生産などを主に受けていて、オリジナルの受注や納品まで一任されることも多いです。大きな企業などは法人外商を通してデパートとの関りがあることも多いです。

外商会員だと受けれるサービスはどんなものがあるの？

具体的に外商会員には普通の顧客には受けられない様々なサービスがあります。

自宅へ訪問しての注文や販売

外商の一番の特徴は自宅まで販売員が来て、商品を紹介したり注文を取ったり、注文した商品を届けにきたりという点です。

実際には外商と長い期間付き合いがあるような会員がほとんど。担当者はその会員の好みや趣味などを把握し、その人に合った品の紹介や、または希望などを聞いて注文を取ることが主なサービスです。

商品の特別受注・割引販売

なかなか手に入らないブランド品なんかも外商を通せば、格段に手に入りやすくなります。発売日前に特別に商品を確保してくれたりと会員のランクによってさらに優先度なども変わってきます。

そして外商を通して買った商品に関しては1割引き程度されることがほとんどです。通常より少し割引価格で買えるというのも外商の特典です。

世界的に品薄なブランド品でも手に入れられる！？

どこの正規店やブティックなどにいっても置いてないような“HERMES（エルメス）のバーキン”や“ROLEX（ロレックス）のデイトナ”などといった人気の商品も外商ならば優先的に購入することができます。

※これらの商品は中古品の価格が定価を上回るほど人気かつ品薄な場合も多いです。

店頭に並ばないような商品でも、外商を通して購入希望の場合は優先的に商品を確保してくれます。超人気商品の場合は外商の中でもさらにランクによって・・・ということもありえますが、一般の顧客よりも外商の場合人気商品は格段に手に入れやすいのです。

展示会や販売会などの招待

新作のブランド品の展示会、有名絵画やアートの販売会などにも定期的に招待されます。もちろん会員全員ということでなく、あくまでもその人の趣向にあったものを優先的に招待していきます。

駐車場の無料サービス・特別室や専用ラウンジの使用も可

外商会員であれば実際にデパートにいって買い物するときも、駐車場が無料で利用できたり、お買い物中の洗車サービスが無料で利用できたりするデパートもあります。

さらには外商専用のラウンジで飲み物も無料で提供されたり、特別室を使用して商談などもできたり、デパート内でもVIPな対応を受けることができます。

デパートのゴールドカードを年会費無料で利用可

外商会員になるとデパートのゴールドカード（クレジットカード）の入会が必須です。買い物は常にこのカードを使用しておこなうことで、顧客の購入額などの把握にも利用されます。

その分通常は高額な年会費が発生するゴールドカードも、年会費無料で利用することが可能です。

外商会員になるには？

実際に外商会員になるには二つしか方法がありません。

• デパートの定めた基準を満たす優良顧客になる
• すでに外商会員の人に紹介してもらう

デパートが定めた基準を満たす優良顧客になる

まず一つはデパートの定めた外商会員の基準を満たすことです。最初の基準は「年間の買い物金額」です。定められる基準はデパートによって（主に地域など）違いますが、少なくとも年間の買い物額が200万円以上は必要とされるデパートがほとんどです。（※銀座のデパートなどは年間1,000万円が基準ともいわれている。）

とにかくいっぱい買い物していると外商会員の招待状が届くというのが基本です。そのうえで厳しい審査がされます。

外商になるための審査内容

外商とは信頼関係のもと成り立つ関係性ですので、上辺のお金持ちなだけではなることは難しいです。

外商になるには「職業」「年収」「保有資産」「不動産の所有」などの審査項目に加え、顧客の人柄なども加味されるといわれれています。

よく言われているのは「年収は安定的に1,500万、持ち家を保有くらいが最低ライン」とされていて、ハードルはかなり高いです。

単年ではなく、複数年に渡り多くの買い物実績を重ねたうえで、さらに上記のような審査項目を通過してはじめて新規で外商会員になることができます。

すでに外商会員の人に紹介してもらう

もう一つは外商会員になっている人に紹介してもらう方法もあります。この場合は比較的ハードルは低いものの、やはり職業や安定した収入などは求められます。

新規で外商会員になるのは難しい！？

実際に今いる外商会員のほとんどが、古くから関りの深い顧客ばかりといわれていて、新規はほとんど取っていないデパートも多いようです。

新規で獲得するとしても、すでに付き合いのある会員の紹介だけというデパートも多く、以前にも増して外商への扉は閉ざされているのが現状です。

外商は信頼関係を築くことが必須

外商を通して注文した商品などは基本的に掛け売り（後払い）となります。そのため景気が悪いときは回収できないツケがたまり、デパートが被害を受けることもあったようです。

そのため今日では相当な信頼関係を築くことができないと新規で外商会員になることはできません。

なったあとも一定の額の買い物をし続けないと会員の継続をすることができません。実際にはかなり金銭的なゆとりがなければデパートの外商を続けることは厳しく、または不要になるケースが多いです。