ブランド買取のフランチャイズ店ってどうなの?買取から経営まで様々な話

ブランド品の買取業者は多数ありますが、大手の業者の中にはフランチャイズ契約店を持ち店舗展開しているところも少なくありません。

具体的なところでいうと「おたからや」「大黒屋(オレンジの看板)」「大吉」といった買取・質屋店はフランチャイズ契約での店舗展開も盛んです。

今回はそんな「FC店(フランチャイズチェーン店)」について“買取目線”または“経営目線”など様々な観点からみていきたいと思います。

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フランチャイズっていうとコンビニや飲食店が浮かぶわ。ブランド買取業者にもフランチャイズ契約があるなんて知らなかったわ。


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してないところも多いけど大黒屋とか店舗の多い業者はフランチャイズでの店舗拡大にも力を入れているね!買取する側からしたら注意したい点も多いから気を付けよう!

フランチャイズ店が多い買取業者は?

フランチャイズとは簡単にいうと「のれん分け」のようなものです。本部とフランチャイズ契約を結び、加盟費用や月々のロイヤリティ(ネーム代、権利費用)を支払うことで、チェーン店として店舗を経営できるシステムです。(※フランチャイズ店の対義語として本部直営店)

ブランド品の買取業者でフランチャイズ店があるところはそう多くありません。

まず一つ特徴として

  • 店舗数が多い業者
  • 比較的多ジャンルに買取している業者

このような業者はフランチャイズ店もある傾向が強いです。(以下FC店)

買取業者で全国に多数店舗があるとなるとそんなにありません。有名どころだと「大黒屋」「おたからや」「大吉」「銀座パリス」などがフランチャイズが盛んな業者です。

買取するなら気を付けたいフランチャイズ店と直営店の違い

業者ごとの契約によって細かな差異はありますが、チェーン店とはいっても買取業者のFC店の場合、買取金額や売値などある程度経営は自由にされる場合が多いです。

そのため同じ名前の店舗でもFC店と直営店では違いも大きいです。

買取査定額が安いFC店

まずはじめに断言しますが、例えば同じ大黒屋の店舗でも「直営店」と「FC店」だったら、同じ品物を査定してもほぼ確実に直営店のほうが高いです。

FC店の場合はロイヤリティや純利益マージンなど様々な形で本部に差し引かれる金額があります。そのためより高値で買取しないと利益はどんどん縮小していきます。

もしブランド品を売りに出すのであれば、同じお店だからといってどこの店舗でもいいわけではなく、FC店は選ばないほうが正直無難です。

買取で主要な「ヴィトン」や「ロレックス」などの買取額も、FC店では直営店よりも5%-10%は確実に安くなると考えてください。

査定員の質も全体的に劣る

FC店の場合査定員の知識も少ないことが多いです。中には店舗オープン前に本部で入念に研修させられて、真贋などに関する知識を詰め込まれるオーナーもいますが、基本的には本部の査定員のほうが知識などは豊富なケースが多いです。

知識が少ないと細かな査定に違いを見いだせない分、売る側からするとちょっと不安ですよね。査定額が安い理由にもつながっていきます。(もちろんそれゆえに高く売れることもありますが・・・)

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これを見ると正直FC店で売るメリットはあまりないわね。でもFC店かどうかなんて傍から見たらわからないんじゃ・・・

フランチャイズ店かどうか見分ける方法

こうなってくるとFC店では売りたくないと思う方が多いと思います。ですがFC店と直営店の簡単な見分け方は基本的にありません。

気にしたことがある方も少ないとは思いますが、コンビニなどでもその店が直営なのかFC店なのかってわかりませんよね?もちろん看板に「FC店」などと書いてあるわけでもありませんから買取店も同じです。

なんとなくでわかるFC店の特徴・・・

それでも知りたいという方にFC店の特徴を細かく挙げていきますと

  • 小型の店舗または地方の店舗
  • 従業員・スタッフが少ない
  • オーナーまたは店長が常駐

このような項目に多く当てはまるのであれば、FC店の可能性が高いです。

買取店の主要店舗にあたる都心の大型店舗などはまずFC店はありませんが、地方都市に出店していてかつ小型の店舗などは可能性が高いです。

よほど儲かっていない限りは従業員も少ないはずですし、オーナー(店長)自ら店頭に立っていることも多いです。

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FC店は実際このような項目がたくさん当てはまっていればまず間違いないね!逆に店長やスタッフの入れ替えが激しいところは直営店がほとんどだよ!

起業目線で見るブランド買取店のフランチャイズ

次に起業目線でブランド品買取のフランチャイズ店を見るとどうかという話をしていきたいと思います。

業者に勤めている私が言うのもなんですが、フランチャイズでの出店はあまりおすすめできないことのほうが多いです。その理由をまとめていきたいと思います。

初期費用はどれくらいからできるの?

初期費用に関してはそもそも

  • フランチャイズ加盟金(契約金)
  • 家賃などの出店費用

大きく分けてこの二つがかかります。

業者によっては出店費用も負担してくれる(契約金に含まれる)ところもありますが、たいていの場合資材費(看板など)以外の出店費用は別です。

フランチャイズ加盟金はこれも業者によってさまざまですが、だいたい「200万円-400万円」くらいが相場です。この中には研修費など出店までにかかる費用が大まかに含まれています。

そして最初の一年間は「SV(スーパーバイザー)と呼ばれる本部の指導員」がつき、経営指導やコンサルティングをしてくれるケースが多いです。

それプラス出店費用がかかります。土地によってピンキリですが安い居抜き物件などを利用すれば100万円から、せいぜい300万円くらいあれば小規模店なら十分かと思います。

肝心なブランド品の買い付け金も必要ですが、販売をおこなわない買取専門店であれば最低100万円くらいから回すことができます。

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ブランド買取のFC店は最低300万円くらいの初期費用ではじめることができるよ!ただ安くはじめるっていうのはリスクも高いことも忘れずに!

ロイヤリティなど本部に払う固定費用

ロイヤリティなどの平均は月々30万円

小型の店舗の場合はだいたい「ロイヤリティとして毎月平均30万円」ほど本部に持っていかれると思ってください。

パーセンテージで計算される場合は利益の30%くらいが平均です。

ロイヤリティに関しては安いところなら月15万円くらいで、平均以上に取るところもあります。

いずれにせよ初期費用を本部で多く負担してくれる業者はロイヤリティの割合が高く、初期費用をできるだけ実費で出した場合にはロイヤリティも低いというのが鉄則です。

撤退店率が低いことを推してはいるが・・・

ブランド買取業者のフランチャイズ加盟広告の多くが「撤退店が少ない」「店舗継続率98%」などをウリにしていますが、オーナー引継ぎや本部運営、または別のフランチャイズ経営者に引き継ぎなどをしているケースも多く数字はあてにしないほうがよいです。

実際にお客を呼べず撤退するFC店はとても多いです。

買取店を経営するならFC店じゃなくても良い

買取店の場合、ブランド品を買い取った段階で利益が確定していることがほとんどです。販売に関してはオークション販売なども盛んなため、実店舗で買取店を経営するのであればどれだけ買取成約できるかにかかっています。

FC店の場合名前を借りれることが最も大きな利点ですが、よほど場所が良くない限り名前だけで客を呼ぶことは困難です。別途集客のための広告費なども必要になってきます。

それプラスでロイヤリティなどを支払わないといけないことを考えると、FC店でなくとも良いのでは?というのが私の意見です。

フランチャイズ契約に関してはよほどうまくやらない限り、本部が設けるだけの仕組みだと考えています。今はインターネットや広告も盛んですし、個人の買取業者も増えてきています。買取店の経営をするならまずはそういった形からでもよいのかなと思います。

フランチャイズ展開が盛んな業者を見ても、ブランド品の買取において「買取査定が高い」だとか「接客・サービスが良い」と言われるような優良業者は少ないです。
それが全てかなと個人的には思っています。