Chanel Barcelona

昨年高級ブランド業界では売上の減少に伴い、それに対して比較的多くの高級ブランドで値下げする動きがありました。

しかし今年は為替相場の変動などもあり、国内での高級ブランド品は値上げ傾向にあります。

8月に入り「シャネル」「カルティエ」「アルマーニ」などが一部商品を平均して5%-10%程度の値上げを実施しました。

それに伴い中古市場や買取市場では上記ブランドがより一層注目を浴びることが予想されます。

8月は様々な高級ブランドが値上げを実施

今月に入ってから値上げを実施した高級ブランドには以下のようなものがあります。

  • CHANEL(シャネル):8/1~実施
  • Cartier(カルティエ)8/1~実施
  • ARMANI(アルマーニ)8/1~実施
  • BVLGARI(ブルガリ)8/8~実施予定

シャネルは定番商品「マトラッセチェーンショルダー」などを中心にバッグや財布などの一部革製品に対して「6%-9%」程度の値上げ。カルティエはジュエリーや腕時計、アクセサリーなど全般を5%程度値上げが実施されました。

シャネルやカルティエは昨年同時期に販売数を増やすことを目的とした値下げを実施しましたが、今回は為替相場の変動に伴い値上げを実施するに至りました。

シャネルに関しては昨年の値下げと今回の値上げで±0%程度、カルティエは昨年の値下げ幅が大きかったため、今回の値上げを併せてもそれ以前よりは-3%となっています。

ユーロ高で外国人から割安になっている国内販売価格の是正

今回の値上げの主な要因は「円安・ユーロ高」です。

海外高級ブランドは原材料や製造は欧州圏でおこなっている品がほとんどのため、国内への仕入れ値が円安ユーロ高によって高騰したことが直接的な原因です。

もう一つ狙いとしては、現状の国内での販売価格が欧州圏の外国人や観光客にとって割安になりすぎることを防ぐためです。

円安とユーロ高によって、外国人から見ると「高級ブランドは日本で買えば安い」という状況が続いていました。

そのままだと海外から転売目的での仕入れが増えたり、ブランドイメージを損なうことにもなりかねません。

海外に製造元を置いている高級ブランドが、為替の影響を受けやすいことにはこうした理由があります。

値上げが実施されると注目が集まる買取市場

今回のように人気高級ブランドの品が値上げを実施したとなると、注目が集まるのが買取市場への影響です。

すでに買取大手の「コメ兵」や、宅配買取サービスのブランディアを運営する「株式会社デファクトスタンダード」の株価上昇に期待する投資家も多いようです。

新品の値段が値上げすると当然中古での需要は高まります。そうなると中古の値段も上昇し、買取金額にもそれが反映されていきます。

実際にシャネルの定番商品「マトラッセチェーンショルダー」が値上げ対象となっていたため、それを例に解説していきます。

値上げを繰り返して価値が高まっている「マトラッセチェーンショルダー」

CHANELのマトラッセチェーンショルダー私物

シャネルの最定番アイテムとも言われるほど人気の高い「マトラッセ・チェーンショルダー」というバッグが今回は値上げの対象とされています。

同バッグの値上げ前の販売価格は「定価57万円程度」です。言わずもがな高級ブランドの中でも特に高額な部類のバッグとして知られています。

今回の値上げは6%程度と発表されているため、だいたい4万円-5万円くらいこの商品は値上げされることになります。

値上げされると真っ先に反応するのが買取市場

今回の値上げ幅は4-5万円であることが予想されるため、買取市場の相場も同様に上昇します。

ただあくまで中古品での評価になるため、この場合なら半分の2万円-3万円程度中古相場の高騰が予想されます。

ここまでは当たり前のことですが、マトラッセチェーンショルダーのような定番品はここ数十年の間で、多少のマイナーチェンジこそあったものの外観などは大きく変わっていません。

そのため新しい製品以外の、古いマトラッセチェーンショルダーも同様に相場が高騰します。

売りたい人にとってはこうした値上げのタイミングは高く売れるチャンスとなり、買取業者などにとっても中古の購入需要が増えるチャンスになります。

高級ブランドの値上げでもっとも恩恵を受けるのが、こうしたリユース業界だといわれています。

数十年前の定価は今の半額以下だった!?

今回値上げを実施したブランド以外でも、ルイヴィトンのバッグなど数十年前は今の販売価格の半額以下だった品も少なくありません。

上で例に挙げたマトラッセ・チェーンショルダーも同様に、今から30年ほど前には定価20万円程度で販売されていました。

当時購入した方で今もきれいな状態で持っているという方は実際には少ないものの、もし綺麗な状態で買取に出せば、現在の新品相場も加味され15万円程度で売ることができます。

あくまで中古品であるということと、発売から30年経っていること、特に限定品でもないバッグであるにも関わらず、当時の販売価格からほとんど相場が落ちていないのです。

高級ブランドは長い目で見ると全体的に価格が上昇している傾向にありますので、各ブランドの定番商品などは相場もどんどん上がっていっている品も多いです。

まとめ

高級ブランドが値上げや値下げを実施することがたびたびありますが、大きな理由としては「為替相場の変動」「原価(金など)の高騰」もしくは「販売数の低下」であることがほとんどです。

一般的な消費者にとってはただでさえ高いものがさらに高くなるくらいの嫌な出来事かもしれませんが、それによって買取市場や中古の相場には良い影響を及ぼす可能性もあります。

売りたいブランド品がある際には、単純な相場以外にもこうした値上げのタイミングを狙うというのもポイントです。