今回は“リサイクルショップって儲かるの??”という素朴な疑問について深く掘り下げて書いていきたいと思います。
そして一口に“リサイクルショップ”と言っても、いわゆる「街のリサイクルショップ」や「ブランド買取店」「質屋」「古着屋」という風に様々なジャンルがあります。ジャンルによっては、こんなもの売ってて、原価0円だとしても儲かるのかが疑問に思えるような商品も取り扱っていたりしますよね。
今は実店舗を構える業者だけでなく、「宅配買取」や「出張買取」に特化した無店舗型の業者などもあり、リサイクル業界も変わりつつあるのです。そんな“リサイクル業界の儲けの今”について迫りました。
リサイクルショップや質屋って本当に儲かるのかしら?ブランド品なんかは一点一点が高額だし儲けがありそうだけど・・・それ以外はどうなのかな?
リサイクルショップといってもブランドを扱っていたり、雑貨や家具を扱っていたり様々なんだ!もちろんどれもやっていけるだけの秘密があるのさ!
リサイクル業界が注目されている今日この頃
最近では「リユース:Reuse(wikipedia)」などといった言葉でも呼ばれるリサイクル業界ですが、近年の不景気の流れや、増税などの経済的マイナス面から、今とても注目されている業界の一つです。
現在、消費者の60%がリユースショップでの売却経験も購買経験もない状況の中、この利用率が高まれば、現在1兆円の市場規模が2~3倍にはなると、予測しています。
出典: リユース・リサイクル業界の今後
今は1兆円規模の業界ですが、ネットオークションなどの間接的なリサイクル業界も含めるとすでに、それ以上の規模ですし、今後はさらに拡大していくと予想がされています。
使えるものは再利用していくという試みが、日常生活においてもさまざまな箇所で見られます。以前は紙やペットボトルといった資源ごみが、主にリサイクルの対象でしたが、現在はスマホなど家電製品などにも幅を広げ、飲食店やコンビニなどでも、リサイクルできる容器や袋が使用されていることがほとんどです。
このようにさまざまな観点から、「リサイクル・リユース」といったことが、日々の生活に根付きつつあるのがうかがえます。
リサイクルショップってどんなことしてるの?
リサイクルショップとは、使わなくなったものを仕入れて、それをまた違う人に売る。基本的にはそれだけです。しかし仕入先などは様々で、「店に売りに来た個人から買う」だけではなく、「使い終わったものを業者から買い取ったり」などがあります。
単純に店舗でリサイクル品を販売しているだけだと思われがちですが、別口で販売経路を持っていたり(ネットショップなども)、海外への流通経路なんかもあったりします。もちろん業者ごとで特色は違うものの、安く買い取って、高く売るというのを、普段わたしたちが目にしているよりも、大きな規模でおこなっているのが、リサイクルショップです。
リサイクル用品の利益率
リサイクルショップはとても利益率が高い業種といわれていますが、それもジャンルやものによってピンキリです。利益率が高いジャンルでいうと「家具や雑貨」「古着」「本」などがこの部類に入り、50%が利益率の目安だと言われています。
高級品やブランド品などは、値段も高いため利益率は20%ほどだと言われていますので、これだけでもかなり開きがあります。しかし世に出回っている新品の商品などは、大半が利益率5%~10%ほどのものがほとんどですので、それと比較するといかに中古品の市場が高利益ということがうかがえます。
中古品の目利きが大事
まずリサイクルショップの経営で大事なことは商品の目利きです。これができないことには商品を買い集めることができませんし、買い取った中古品が売れるかどうかという判断ができません。リサイクル業界は、利益率が高いという話を上でしましたが、これはすなわち仕入れ値が安いということです。
もちろん商品の開発費用などもかかりませんし、すでに誰かに使われたものということで安く買い叩くことができます。ですが売れ残ってしまっては、もちろん赤字です。仮にタダ同然で買い取った商品だとしても、在庫を抱えるということは赤字になるので、買い取った商品の回転率も重要になります。
そのため買い取った商品が売りさばけるかどうかの目利きは最重要項目です。買取査定する上で、一番重要視されるのは「とにかく買い取ったものが売れるかどうか」です。すぐに売れるだろうという商品に関しては、利益率を下げてでも高額で買取します。
近年のリサイクルショップの概要
家電からブランド品、家具や雑貨など幅広く、なんでも取り扱う総合リサイクルショップがリサイクルショップと言われて浮かびますが、近年では総合リサイクルショップといわれるジャンル意外のリサイクルショップなども、多く業界全体で多様化しています。
専門分野に強いリサイクルショップ
実際に専門分野に特化しているリサイクルショップのほうが、店舗数や規模感なども増していて、業界の中でも勢いがあります。
分かりやすい例を挙げると
- 本に特化した店(BOOKOFFなど)
- ブランドに特化した店(コメ兵など)
- 洋服だけを扱う古着屋
などが専門分野に特化したリサイクルショップです。
古着やブランド品などを取り扱う業者が、王道でポピュラーではありますが、その時々のブームに応じて、今は「スマホの買取業者」なんかも熱いジャンルです。
専門分野に特化することのメリットは、なによりそのジャンルの知識が豊富ということです。先にも述べたようにリサイクル業界は目利きが命といっても過言ではありませんので、商品に関する幅広い知識が必要になります。専門分野に特化している店舗は、なんでも取り扱っている店舗に対し、知識の広さでは劣りますが、深さには優れます。
専門分野に特化していたほうが、市場を知り適切な値段を付けることにもつながりますので、結果的に商品の回転率なども良くなります。今後は総合的になんでも取り扱うリサイクル業者は廃れ、専門分野に特化している業者に、より注目が集まっていくのではないかと思います。
店舗を持たない無店舗型のリサイクルショップ
今さらに注目を集めているのが、当サイトでも度々取り上げている「宅配買取サービス」や「出張買取サービス」を専門にしている業者です。これらの業者は店舗を持たない、無店舗型として経営しているところも多く、固定費などを下げる代わりとして、通常の店舗よりも査定額など上乗せできるところがポイントです。
商品を売りに出したい消費者としても、査定額が高いのマストです。さらには「自宅にいながら査定に出せる」というメリットも相まって、リサイクルショップ業界に新たな風を吹かせています。
個人でおこなうリサイクル業者も増えている
インターネットの発達に伴い、個人で商品を仕入れて、売るという業者や、副業なども増えてきています。ネットオークションなどの市場も年々大きくなっていることも関係して、「店舗持たない」ましてや「個人」でも簡単にリサイクル業がおこなえる、環境になりつつあります。
店舗を持つリサイクルショップの場合は、固定費などが大きな割合を占めますが、個人や無店舗の場合はこれを省くことができるメリットがあります。実際に副業でリサイクル業をおこなう方は、コンテナなどだけ借りて在庫管理をしている方なども多いです。
固定費を下げることで、少ない売買でも利益を出すことができます。
どんなものでも需要さえあれば儲かるのがリサイクル業界
リサイクル業界の特徴は、中古品ということで原価があってないようなもの、そして需要があり販売経路さえ持つことができれば、絶対に利益が出るということです。
原価などブックオフなどの古本などを見れば、実質タダ同然のような価格で買い取りをしています。しかし売る側としてもタダでも引き取ってもらいたいようなものなので、その買取価格でも成り立ちます。実際に古本屋で100円程度で売られているもの、古着屋で数百円程度で売られているものの、買取値は10円程度です。
そしてマニアックなものでも需要さえあれば、リサイクルする価値が生まれます。近年では「フィギュアやホビー」または「アイドルの追っかけグッズ」などの専門リサイクル業者なども登場してきています。そのもの自体の市場が大きくなれば、それに比例してリサイクル業者も参戦していきます。
リサイクルショップをやるなら古物商が必要
中古品を取り扱うには「古物商(wikipedeia)」の許可が必要です。これは基本的に質屋・美術品商などで古くから適用されている法律です、「古物品」を業として取り扱う際に必要な許可です。正確にはネットオークションなどで、中古品を買取やは販売(利益目的で)する上でも必要になるものです。
営業所の所在地を管轄する警察署で申請の手続きが行えます。古物商許可申請|警視庁
リサイクルショップなどを店舗のみならず、個人でおこなう場合にも必ず申請して取得するようにしましょう。