ブランド品でもアパレル製品は基本的に買取では高値が付きづらいとされています。
しかしアパレル製品の中でも最高級品ともいわれる「毛皮(ファー)の製品」に関しては、アパレルの中では値段が付きやすいです。
そして元々が高価なため「比較的状態の悪い品でも買取してくれる」といった業者も多いです。
ただし毛皮に関しては状態の良い品でないと高額買取することは難しく「思ったよりは高く売れない」という意見も多く高望みのしすぎは禁物だと思っています。
毛皮は品種も様々で、比較的上質な品であれば普遍的な需要があるため中古品でも高値が付きやすい傾向があります。
- 毛皮はどこで売るのがベストか?
- どんな品種の毛皮が高いのか?
今回はこうした内容を中心に解説していきます。
「ファーコート」や「ファーマフラー」などの毛皮製品を売りたいとお考えの方は参考にしてみてください。
このページの目次
毛皮を売るときに気を付けること
毛皮を売るときには、必ず毛皮に関する専門知識に長けた買取店で査定することが重要です。
一口に毛皮といってもたくさんの種類がありかつブランドもあるため、最低限そういった知識がある業者である必要があります。
もちろん古い毛皮のコートであればタグがないものもありますし、その場合は当然手触りなどで素材を判断しなくてはなりません。
実際素人では最高素材である「セーブル」と「ミンク」すら判別しづらいほど毛皮の鑑定は難しくより専門知識が必要となります。
毛皮の買取におすすめの買取店3選
毛皮の買取におすすめの買取店を三つご紹介しています。
毛皮の買取に特に力を入れているお店で専門知識が豊富なところを厳選しているため、売り先に迷った際には参考にしてみてください。
バイセル
毛皮のコートなどをすぐに現金化したいという場合にもっともおすすめなのが「バイセル」です。
インターネットから申し込みで全国どこでも自宅まで出張してくれて、専門の査定員が目の前で大切な毛皮を一点一点査定してくれます。毛皮の専門知識が豊富な査定員も常駐しているため、他社と比較して査定額もとても高いです。
地域によって若干の差がありますが、首都圏なら申し込みから最短二時間程度の即日対応が可能でその場で現金化することができます。
対面での査定になるため値段交渉ができるというメリットもあります。出張費用なども一切無料で利用できるため査定だけの利用も可能です。
コメ兵
コメ兵は中古ブランド業界の最大手企業として、信頼と実績においては業界ナンバーワンの買取店です。
査定金額は社内のデータベースですべて共有されていて、どこの店舗や宅配買取などでも同額の査定、今の相場に合ったもっとも適切な買取価格を提示してくれることも魅力です。
ブランド買取店ではありますが、ノーブランドの毛皮製品などにも対応してくれます。毛皮の査定実績も豊富なため、より希少な毛皮製品なども安心して任せることができます。
手数料一切無料で宅配買取を利用できるため、手間なく高く売りたいという方にもおすすめです。
ブランディア
ブランディアはブランド品だけでなく、幅広い衣類の買取に長けた宅配買取専門店です。
毛皮の製品で高く売れないとされる「ラビット」「ラクーン」などでもなんでも値段をつけてくれるため、安めの毛皮の製品を売りたいというときにはおすすめです。
幅広いハイブランドからファッションブランドにも対応しているため、ほかに合わせて売りたい品が多い時にも全部まとめて査定してもらうことができて便利です。
手数料などがすべて無料で対応も早いため、誰にでも簡単で気軽に利用できる買取店です。
毛皮はリサイクルショップなどで買い叩かれやすい
毛皮商品の価値はかなり専門知識がないと目利きが難しいです。
実際に毛皮製品の中には、定価は高くても中古市場では価値がほぼない品物も多いため、リサイクルショップなどなんでも総合的に取り扱うお店では高値が付きづらい傾向にあります。
今現在中古の毛皮の需要が高いのはほぼ海外市場のため、国内で販売するリサイクルショップなどで毛皮を売るのは不向きです。
毛皮の買取における基本的なこと
毛皮の買取における基本的な項目について解説していきます。
毛皮の品質に関してはもちろん品種も重要ですが、品質を保証するブランドなどもあり、必ずしも品種だけで価値を判別することはできません。
このように毛皮に共通していえることについてまとめていきます。
良質な毛皮を示す「サガブランド」
正式名は「SAGA FURS OF SCANDINAVIA(サガファー・オブ・スカンディナビア)」といって「通称:サガファー」といわれています。
北欧の「デンマーク」「ノルウェー」「スウェーデン」「フィンランド」の毛皮生産者が共同で設立した団体で、その土地で生産された最高品質の毛皮にのみ「SAGA FUR」の名が与えられます。
この団体はミンクやフォックスといった素材の生産数は世界一とされていて「SAGA MINK(サガミンク)」「SAGA FOX(サガフォックス)」と名の付く品は品質が保証された毛皮ブランドといわれています。
厳しい毛皮の品質チェックを通過した毛皮のみがこの「SAGA FUR」を名乗ることができますので、サガブランドは世界基準で毛皮の品質の指標になっています。
このサガブランドの毛皮のコートなども「平均して5万円-8万円」程度で買取してもらうことが可能です。
ファーには天然ものと養殖がある
毛皮には大きく分けて天然の動物から採取された品と養殖された動物から採取した品の二種類があります。
普通食品などの場合や何にせよ天然のほうが良いという傾向がありますが「毛皮の場合は養殖のほうが高級な場合も多い」という特徴があります。
毛皮の養殖は手間とコストがかなりかかりますが、その分品質も安定している傾向があります。
ミンクはいろんな色が品種改良などで生み出されていると上述しましたが、開発費や管理コストなど多大な費用を投じられた結果です。
養殖といっても容易に大量生産できるわけではないため、必ずしも天然より安いということはありません。
しかし中には天然物で非常に高品質な毛皮も存在して、その場合は天然物のほうが高額な場合もありますが「全体的な傾向で言うと養殖のほうが高価」です。
今は動物の乱獲に関してかなり多くの規制がかかっているため、出回っている毛皮の多くが養殖されたものです。
色に関しては染色されていない品のほうが高価
ただし色に関して染色された毛皮は比較的安くなる傾向があります。
毛皮そのものの色を「ワイルドカラー」などと呼びますが、色に関しては天然のそのままで発色が良い品のほうが価値が高いとされています。
高く売れる超高級毛皮の品種
一口に毛皮といっても超高級品から広く一般に流通しているものまで様々です。
毛皮にはどんな種類があり「何が高く売れるのか?」を解説していきます。
まずは「高額な毛皮」に区分される品種を紹介していきます。
だいたい金額の目安としては、コートの場合「一点5万円-20万円」、マフラーやケープなどの小物であれば「一点5万円度」という査定が平均という品です。(※当然ブランド品などであればもっと高額な場合もあります。)
セーブル
「毛皮の王様」と呼ばれるのがイタチ科の小型の動物の毛があしらわれたセーブルです。
ツヤや光沢、肌触りのよさ、保温性などどれをとってももっとも高品質な毛皮であり、一番高く売れる毛皮と言われています。
セーブルが使用されたコートなどは「数百万円」を超えることもザラで、中には「数千万円」を超える品さえあります。
状態の良い品であれば「買取率20%程度」になる場合もあります。
特に高級なロシアンセーブル
その中でも特に貴重で高額な品は「ロシアンセーブル」といってロシア産のセーブルが使用されたものです。
他にもアメリカ産の「アメリカンセーブル」や、カナダ産の「カナディアンセーブル」なども多く普及していますが、ロシア産がもっとも高品質といわれています。
ロシアンセーブルには「SOBOL(ソボル)」という特別なタグがつけられていてそれで判別することが可能です。
色が濃いものほど高額
セーブルの毛皮は基本的に色が濃いものほど高価になります。
そして天然色と染色されている品でも価値は異なり、天然とされるワイルドカラーのセーブルがもっとも高額です。
シルバリーの量が多いほど高品質とされる
セーブルは「シルバリー」と呼ばれる白い差し毛が混じった毛皮があり、このシルバリーが多いほど高額で流通しています。
シルバリーの量で以下のような名前がつけられています。
- ノーシルバリー:白い差し毛無し
- スライトシルバリー:白い差し毛が少ない
- シルバリー:白い差し毛が全体にある
- フルシルバリー:白い差し毛が多い
- ヘビーシルバリー白い差し毛が大量にある
そのためもっとも高価な毛皮だと「ロシアンセーブル・ヘビーシルバリー」といった名称が付けられて売られていることが主です。
フルシルバリー、ヘビーシルバリーとなると数十万円以上の金額で買取してもらうことも可能です。
チンチラ
「チンチラ」と聞くと猫を思い浮かべる方もいると思いますが、毛皮のチンチラはペットとしても人気があるネズミの方を差します。
肌触りがとにかく抜群で柔らかい毛ながら厚みがある上質な質感から、チンチラも高級毛皮の一つとされています。
一時は毛皮を求めた狩りが盛んになり、野生のチンチラは絶滅寸前になりました。
そのため現在チンチラの毛皮として出回っているものは「ほとんどが養殖」されたものです。
チンチラの毛皮の相場について
上質なチンチラの価格帯としては毛皮はコートだと「100万円前後」ケープや・マフラーなどの小物で「30万円-40万円程度」となっています。
ほかの毛皮と比べて耐久性が低いため、中古品の相場はセーブルなどと比較するとやや落ちますが、それでも状態が良い場合コートであれば「10万円程度」小物だと「4万円程度」の査定も期待できます。
リンクス
ネコ科オオヤマネコの毛皮を使用した品は「リンクス」と呼ばれます。
柔らかい質感が特徴で「毛皮のシルク」とも言われる高級毛皮の一種です。
単色の品よりも、若干のまだら模様が入った柄が多い点も他の毛皮にはない特徴として挙げられます。
リンクスに関しても今ではワシントン条約で保護されている品種のため、生産数もかなり少なく以前よりは相場も高騰しています。
リンクスの毛皮の相場について
リンクスも相場はコートだと「100万円前後」小物類だと「30万円程度」とチンチラと同価格帯くらいです。
品物に関してはリンクスは現在かなり希少なため買取率は少し高く、状態が良い品でコートだと「13万円程度」、小物だと「5万円程度」の査定が上限かなと思います。
品物によっては高額な毛皮の品種
最高級の品種ではありませんが、高級ブランドなどを衣類でも使用される上質な品種の毛皮を解説していきます。
実際品物によっては上記した超高級品種を上回る金額で売れる場合もあります。
ここまでが「毛皮の製品として品質が高いと言えるライン」だと思ってください。
ここで紹介する品種はコートで平均的な買取金額は「一点2万円-3万円」くらいなものが多いですが、ブランド品などであれば「10万円以上」の査定が出る品もあります。
ミンクファー
セーブルと同じイタチ科の動物「ミンク」は、毛皮の製品としてはもっとも数が品種ともいえるかもしれません。
ほかの毛皮と比較して密度が高く保温性に優れているため、ミンクのコートはとても暖かいことから古くから高価な品として重宝されています。
品種改良も重ねられていて色も豊富で、現在では40種以上のミンクが毛皮製品として出回っています。
ミンクのコートの買取相場はだいたい「3万円-5万円ほど」ですが、色の人気もあり「ブルー系の色などはより高額が付きやすい」傾向があります。
シェアードミンク
ミンクの毛をさらに刈り込んで短くそろえることで、より肌触りの良いように加工したものを「シェアードミンク」と呼びます。
こちらはミンクよりさらに高品質な毛皮とされていて、値段も高額なためコートであれば「一点10万円」近く値の付く品も存在します。
レオパードキャット
ベンガルヤマネコという品種の使用した毛皮で、ヒョウ柄の高級毛皮としてもっとも使用されているのが「レオパードキャット」です。
レオパード柄の元になっているヒョウ自体はワシントン条約の保護動物に指定されているため、実際のヒョウが毛皮として使用されることなくヤマネコの毛皮が使用されています。
需要はあるもの「派手めな柄から中古市場では高値になりづらい」傾向があります。
そのためレオパードキャットの毛皮のコートは「一点3万円-4万円」程度が相場となっています。
フォックスファー
フォックスはキツネの毛皮のことを指しますが、中でも種類によって大きく以下の三つに区分されます。
- シルバーフォックス:黒い差し毛と銀色の差し毛の混ざった色が特徴で、密度が少なく張りが強い
- ブルーフォックス:シルバーフォックスより全体的に白身が強く、肌触りが柔らかい
- レッドフォックス:赤味やオレンジ味がかった色が特徴で、肌触りが柔らかい
個体差なども大きいものの、一般的にもっとも高額なのはシルバーフォックスとされています。
現在フォックスの毛皮で市場に出回るものはほとんどが養殖で、ほかの毛皮と比較すると比較的堅めの毛と芯のある肌触りが特徴です。
中には天然物の高品質のシルバーフォックスを使用した超高額品もありますが、安価なフォックスも市場には出回っているため「フォックスの相場はかなりピンキリ」です。
安めの品だとコートでも「一点1万円程度」の査定となる場合もあります。
価格帯が安めな毛皮の品種
最後は毛皮としての品質自体は決して高くないと言われる品種の解説です。
品物によってはブランド品でも使用されますが、安価なファッションブランドなどでも使用されていたりと流通数はとても多いです。
ただノーブランドでこういった毛皮のコートだと「一点1万円もつかないケースも多い」ため、単体で売るとなってもなかなか高値は付きづらいです。
ラビットファー
ミンクの次くらいに流通数が多いのが「ラビットファー」の品物かと思います。(※フランス語の「ラパン」という表記がされることもありますが同一です。)
その名の通りうさぎの毛皮を使用したもので、養殖がしやすく安価な割には手触りが良いため幅広い品物に使われています。
総ラビットファーのコートでも基本的に価格は10万円以下で購入ができるため、買取査定では「5,000円-10,000円程度」がせいぜいです。
ただ安いといっても高級ブランドなどで使用される場合もあるため、ブランドの価値が合わされば高額で買取できるケースもあります。
ムートンファー
羊を使用したムートンは「ラム」などの呼び名もありこちらもかなり多く流通しています。
カールがかかった癖の強い毛質が特徴ですが、単純に革素材として使用したムートンのコートも多く製品化されています。
毛皮としての価値はイマイチですが、革素材としての価値は比較的高いので上質なラムムートンなどのコートであれば「2万円程度」値の付く品もあります。
ラクーンファー
ラクーンはアライグマの毛皮を使用した品種で、ファーの中ではもっとも安価な部類です。
安く手に入りやすいため、低価格な洋服の首周りのワンポイントファーで使用されているケースも多いです。
あまりラクーンを全体に使用したコートなどは製造されていません。
ラクーンファーの製品は「総じて数千円程度」の相場となっています。
まとめ
毛皮製品はブランド品バッグなどと比較すると買取率的には決して良くはありません。
しかし上質な毛皮製品であれば、かなり古い品でも値が付く場合が多く「売る場所さえ間違わなければある程度のお金に換金できる」という特徴があります。
もちろん同じ毛皮のコートでも、品種によって金額差はかなり幅広いため高く売れる品とそうでない品の差も大きいです。
この記事が少しでも毛皮を売りたいという方のご参考になれば幸いです。