古いルイヴィトンと買取

買取店、特にブランドバッグなどの場合には、査定員との価格交渉によって、金額が上がることも珍しくありません。

個人的には、価格交渉自体気持ちの良いものではないですし、はじめから高い金額を提示してくれる買取店をおすすめしたいところですが、交渉ありきの買取店でも「ほぼ確実に高値を引き出す方法」があります。

結論から言うと、それは「他店も回っている、他店と比較している」と言うだけです。

これだけでも極端に買い叩こうとする意図があるような安い査定額を避けることができます。

ほとんどの買取店で価格交渉ができる

ご存知の方は多いと思いますが、実際ほとんどの買取店で価格交渉をおこなうことが可能です。

特にブランド品や宝石、骨董品などといった高価な品に関しては90%近くの買取店で価格交渉がおこなうことができます。

だいたい最初の提示額から20%アップくらいは可能

これは経験則にすぎませんが、基本的に「最初に提示された金額の20%増し」くらいはどこの買取店でも応じてくれます。

もちろん買取店によって異なりますが、場合によってはそれ以上、ましては倍くらいまで交渉次第で上がるケースもあります。(※個人的にはかなり悪質な例だと思っています)

金額が安い品や中古でも関係ない品は交渉しても上がりづらい

ただし金額の安い品に関しては、交渉しても上がりにくいです。

例えば書籍など、一点数百円から千円程度の品を、交渉によって20%上昇させられるケースは稀です。

またゲームソフトなど「個々の状態の差がそれほど品質や性能に影響しない品」などは、最初に提示された金額が定められた買取額であることがほとんどなので交渉もできません。

あくまでブランド品のバッグや貴金属など数万円単位の品や、中古品として状態の見方に差が出る品などに関しては、最初に提示される金額が「交渉余地を残している金額」である確率が高いです。

金額交渉しづらいブランド品について

買取相場が安定しているロレックス
写真:買取相場がガチガチに定まっているロレックス

ブランド品などの場合は一部の品はほとんど金額交渉できない品も存在します。

それは何かと簡単に説明すると「買取店が非常に欲しがるような品」です。

ルイヴィトンやシャネルの最新でかつ定番のバッグや、ロレックスの腕時計などは買取相場が安定しますし、買取店もある程度の値段でも買取したいと最初から力を入れて金額提示してくるため、他店とは差が付きづらいです。

中古でもすぐ売れるから相場が安定しているのであって、買取店としては利益を計算しやすいこれらの品は金額交渉で上がる余地もかなり狭いといっても良いです。

金額交渉ができない買取店はごくわずか

実際に金額交渉がまったくできない買取店もわずかながら存在します。

“もうちょっと頑張れませんか。”と言っても“ウチはもう精いっぱいの金額です。”といってくるお店です。

個人的にはこうした買取店のほうが優良店だと思っているのですが、数にしてみると10店回って1店くらいな比率です。

金額交渉が普通になっている買取業界はおかしい?

買取業界ではこうした金額交渉が普通におこなわれています。

はっきりいって、物を売りにいって、初めに提示してきた金額で売るというのが馬鹿馬鹿しくなるほどです。

正直、言ったもん勝ちというのが今の買取業界の現状です。

中古の品はたしかに状態の目利きが買取店ごとに異なるというのはわかりますが、難癖つけて安く買取しようとするお店が多いのも事実です。

「他店と比較している」は多くの買取店で査定が上がるセリフ

そこで初めに戻りますが、そうした買取店側の巧妙な交渉術に騙されないためにも、

“他店と比較している”
“これからほかの買取店も回る”
などと言うことは重要です。

よほどやる気もないような買取店でない限り、これを言うだけで他店よりも圧倒的に安い金額は提示しづらくなるからです。

実際に回っていて感じる買取業界の奇妙な風潮

当サイトでは実際にいくつかの買取店に、ブランド品などを持ち込み査定してもらい金額を比較するという記事もいくつか上げています。

実際に手間をかけて回っているのですが、行く先々でこんなことを査定員の方から言われることは多々あります。

回っているとおっしゃっていたので、この金額がんばりました!
(今日最初に来た店舗と伝えると)うちのお店に最後に来てくださいよ。

勘違いしないように言っておくと、査定員の方は非常に良い対応をしてくれていて、決して悪気はないと思います。

ですが多くの買取店が、交渉できるのは当たり前の前提でいて、ちゃんと比較した上で「より高く売りたい」と意思を示すお客さんに対しては高めの金額を提示してくれます。

しかしふらっときて「これっていくらになりますか?」くらいのお客さんには、ちょっと安値を言うのが当たり前みたくなっているのです。

こんな風潮が普通にまかり通ってしまうことに違和感を感じざるを得ません。

買取交渉はいかに上限金額を引き出せるかどうか

この業界では、多くの買取店が品物ごとの買取上限金額を設定しています。

査定交渉ではいかにその上限金額を引き出せるかどうかです。

しかし安く買って高く売ることで利益を得るビジネスですし、安く買うことで査定員の評価に繋がるシステムを取る買取店も多いことから簡単にはいきません。

売る側も最低限の知識をつける

査定交渉で高値を引き出すためには、交渉材料となる知識やソースが必要です。

上記したように、明らかに安いなというような金額を言ってこられた際に、安いと思えるような知識を最低限つけておくことも重要です。

可能であれば「他店ではいくらだった」というソースがあると、交渉の時にも役立ちます。

宅配買取でも安心はできない

最近では「宅配買取」などを利用する機会もありますが、宅配買取でも査定交渉を持ち掛けてきた買取店がありました。

宅配買取では査定結果はメールで通知され、断ると返送してくれますが、一度断った後に「金額を上げて再提示」してきた買取店もありました。

ユーザー側としては、その金額を出せるなら最初から出してほしいと感じてしまいました。

まとめ

正直、今回は私が買取店を実際に回っていたりして、疑問に感じることやおかしいと思うことなどを口にしたうえで、より高い金額を引き出す方法というテーマでお送りしました。

もちろん中には基本的に交渉は一切なしで初めから高値を提示してくれる買取店もありますし、あがっても端数の切り上げくらいしか応じないような優良店も存在します。

ただほとんどの買取店がそうではありません。

多くの買取店で「交渉前提の安めの金額提示」が悪びれもなく行われていることは、ユーザーにもっと知っていただきたいです。

知らない人ほど安値で買い叩かれてしまいますから。

特にある程度高い金額で売れると予想できるような品は、一店舗だけで即決しないほうが無難です。

先日見た、買取業者さんのインタビュー記事の中でも“思い出話は買取額に影響する”とおっしゃっていました。

問題はそれが、あらかじめ決められた上限に対してのプラスアルファなのか、
上限に達していない状態でのプラスアルファなのか。どうかで大きく意味が異なります。

もちろん一概には言えませんし、優良な買取店では関係ないと思いますが、査定交渉時には“この人は品物の価値や相場を知らない”と思われることほど怖いことはないのです。