ダイヤモンドの買取で回った8社

今回は比較的珍しい「2.0カラットのダイヤモンドジュエリー」を、大手買取店に出して査定を比較したらどれくらいの金額になるのか?また「お店によってどれくらい違う金額が提示されるのか?」などを調査してみました。

2カラットというとダイヤモンドの石のサイズとしては非常に大きなものですが、今回査定に出した品は古く状態が非常に悪いです。

そのため古いダイヤのジュエリーにどれくらいの値段が付くのか?という観点でも見ていただければと思います。

以前調査した「金のネックレスとコインの査定を買取大手8社で比較」したときよりも金額差が大きく、とても参考になる結果を得ることができました。

査定に出したダイヤモンドジュエリーについて

今回買取に出すダイヤモンドジュエリー

まずは今回買取に出した品物のスペックを解説していきます。

商品名:ダイヤモンドネックレス
ブランド:ノーブランド
石のスペック:【一粒ダイヤ部分】2.0カラット
       【メレダイヤ部分】0.74カラット
             計2.74カラット
チェーン部分:18Kホワイトゴールド
付属品:ケースのみ
宝石鑑定書:なし
推定定価:70万-80万円

いわゆるノーブランドジュエリーと呼ばれるものですが、真ん中の一粒ダイヤの大きさは2.0カラットとかなり巨大です。

もし仮に高級ブランド品のジュエリーでこの大きさであれば定価200万円はくだらないというほど、かなり大粒のダイヤモンドです。

ダイヤモンドの品質の基準

ダイヤモンドの価値は大きさだけではなく、以下の4つの項目の総合評価で判断されます。(※ダイヤモンドの4Cなどと呼ばれています。)

  • 大きさ・重さ(CARAT)
  • 研磨(CUT)
  • 色(COLOR)
  • 透明度(CLARITY)

この品物は石のクオリティは低いため、見た目の大きさと数字ほどの価値には至りません。

古い品のため確かではありませんが販売当時の「定価は70万円程度」だったと予想しています。

ダイヤモンドの情報は刻印されていることが多い

素人であれば見た目からは石のスペックは判断できかねます。(※実際はプロでも見た目で何カラットか正確には判断できません)

そうした場合でも、こうしたジュエリー製品はダイヤの台座部分などのどこかしらに石の情報が刻印されています。

ちゃんとした宝石店やデパートなどで購入した品であれば刻印がないということはまずありません。

今回の品物の石のスペックを示す刻印

何カラットかわかる刻印

この品物には上の写真のようにダイヤモンドのスペックを示す刻印がされています。

こちらには「2003」と「074」という数字が刻まれています。

前の数字は真ん中の「一粒ダイヤの大きさが2.003カラット」ということを示していて、後の数字は周りの「小粒のダイヤ(メレダイヤ)部分の合計が0.74カラット」だということを示しています。

素材がわかる刻印

もう一つチェーンの留め具部分にも上のような「K18WG」という刻印がされています。

こちらはチェーン部分の素材が「18K ホワイトゴールド」ということを示しています。

このようにジュエリーは鑑定書などがなくとも「商品そのものにある程度スペックが刻まれている」場合が多いです。

カラット数は大きいが品質的にはイマイチ

2.0カラットのダイヤモンドネックレス

はっきりいって、このダイヤに関しては上記したような品質の観点からすると、決して良質なダイヤとは言えない一品です。

写真から判断することは難しいかと思いますが、色や透明度などもよくありませんし、肉眼でも確認できるほど内包物(石の中のゴミやちりなど)も多いです。

単純に新品価格は70万円ほどの高額な品物ですが、こうした状態が悪いという部分を買取業者がどう判断するのかは各々で変わってくるはずです。

実際に2カラットの一粒ダイヤという品物自体の数が少ないため、査定も大きく変わってくると思います。

1円玉との大きさを比較

最後にわかりやすい(?)ように「1円玉」と大きさも比較してみました。

ダイヤに関する知識がない人が見ても、真ん中の石はかなり大きいということはわかっていただけるのではないかと思います。

ダイヤモンドジュエリーの買取業者8社の査定結果

実際に大手8社の買取業者を実際に回って比較してみました。

まずはその結果を表にしてまとめてみましたので、チェックしてみてください。

今回は「査定時に言われたコメント」も参考までに掲載してみました。業者によって言ってることが様々なのが非常に面白いです。

査定金額 各社評価概要
コメ兵 120,000円 鑑定書があればもう少し高くなるかも。キャンペーンでプラス1万円
質大黒屋 80,000円 内包物が多く、石自体にも中に傷が入ってしまっているためマイナス評価
七福神 40,000円 状態が悪くダイヤモンドとしての価値が低い。大きさだけの値段
リファウンデーション 60,000円 石自体裏側に欠損があるためマイナス評価
なんぼや 120,000円 5万円スタートから交渉⇒12万円
ロコシーラ 85,000円 ノーブランドジュエリーのため高額査定は難しい
歌舞伎屋 80,000円 ノーブランドジュエリーは苦手としているため低評価
一風騎士 100,000円 鑑定書があれば上がるかもしれないし下がるかもしれない
MAXの差額 -80,000円

結果は上記のようになりました。

いくつかの業者で言われたのが「状態が悪いため高額はつけられない」「良くも悪くも鑑定書があると違う結果になるかもしれません」といった二点です。

もっとも高額だったコメ兵となんぼや

結果はもっとも高かったのが「コメ兵」と「なんぼや」で、その次に「一風騎士」という業者が続くという結果になりました。

コメ兵に関しては査定結果は11万円+キャンペーンで1万円の12万円という査定で、ダイヤの鑑別書があればもう少し高値までいけるかもという評価でした。

なんぼやは「最初は5万円提示」そこから交渉をして最終的に12万円に至りました。このあたりの判断は難しいところです。

知識ない人だったら最初の提示で成約してしまうかもしれませんので、交渉ありきの買取業者はあまりおすすめしません。

そして前回「金の買取では一番高額だった七福神」がもっとも安く、宝石に非常に強いといわれている「リファウンデーション」はかなり安めの査定となりこの辺りは意外な結果になりました。

一番安かったところと高かったところの「MAX差額は8万円」と、かなり大きくなったという点がまず今回の検証の成果です。

高値を付けたところは大きさを評価された

高値を付けたところではまず2.0カラットという大きさが評価されました。

たしかに品質はいまひとつではあるが、これほど大きな石自体珍しいという理由での高評価。

安かったところは石の品質が悪すぎるため、宝飾品としての価値が極めて低いということで査定が伸びませんでした。

メレダイヤ部分にはほとんど値段が付かない

ちなみに真ん中の一粒ダイヤ以外の小粒の部分に関しては、どの業者でもほとんど評価してくれていません。

同じ大きさのダイヤモンドでも「一粒ダイヤの1.0カラット」と「メレダイヤ(小粒のダイヤ)が合計1.0カラット」では価値が全然違います。

ダイヤの場合は圧倒的に一粒ダイヤが金額的にも高く、売れるのは一粒ダイヤだけといってよいほどです。

今回の場合も「メレダイヤの価値はほとんどあってないようなもの」だといって過言ではありません。

鑑別書の有無における査定への影響

ブランド品の買取におけるギャランティなどと同様ですが、ダイヤをはじめとする宝石の場合は特に「鑑定書や鑑別書が重要」だといわれています。(※鑑別書と鑑定書の違いについてはこちらの記事で「宝石の鑑定と鑑別では意味が違う!?鑑定書の取得や必要性について

査定に影響するという意味で重要な要素であることには間違いありませんが、鑑定書があれば必ずしも高くなるというのは間違いです。

品質が悪い石なら鑑定書がないほうが良い場合も

今回のように石の品質が良くない場合には、それを証明する「鑑定書はないほうがむしろ査定は高い」可能性も大いにあります。

鑑定書のないダイヤモンドの場合は各業者の査定員が独自の指標に当てはめて鑑定します。

そのため査定員の見方によっては個人差が生じます。そのためこれだけ査定結果が業者によって異なる結果になりました。

鑑定書があればそれを見て査定をおこないますから、品質の悪いものに関してはごまかしが一切効きません。

今回各所で「鑑定書があると結果が変わるかもしれない」といわれたのは、ある意味業者からすると自らの鑑定結果に自信がないという見方もできます。

鑑定書や鑑別書はあとからでも取得可能

鑑定書や鑑別書はお金を払えば、後から取得することができます。

今回のようなクセのある宝石の場合には特に、鑑定書や鑑別書があれば大きく結果も変わってきます。

鑑定書の結果が良ければもう少し高値が付く可能性は大いにありますし、鑑定書の結果が悪いようなら上で出た価格よりも安い金額を提示してくる業者もあるはずです。

ダイヤモンドやジュエリーは業者ごとで金額差が大きい

ダイヤモンドや色石などは金やプラチナなどのように相場の指標が明確に定められていません。

そのため売るとなった時でも業者ごとで査定金額はかなり違ってきます。

今回一番安かった「4万円」という査定と、もっとも高値だった「12万円」という査定は金額で比較しても8万円という大きな差がありますが、単純に安いところの3倍の金額を提示していると思うと恐ろしいです。

金やプラチナなどは相場が一定であるためここまで大きな金額の差は生まれませんが、ジュエリー類の場合はこうした金額差が生まれることは非常に多いです。

そしてジュエリーの場合には石の品質などの要素も加わってきますので、買取相場というのはあってないようなものです。

特に今回のようなノーブランドジュエリーの場合には、ある程度石が保証されている高級ブランドジュエリーと比較しても、売却時の査定金額の差が大きくなります。

まとめ

陽が落ちた新宿の街

実際に池袋と新宿にある業者に足を運んで調査してきました。

ここまで何店舗も回るというのは面倒であるかもしれませんが、値段が大きい品物になればなるほど金額の差は大きくなりますので、特にダイヤモンドなどを買取してもらう際には複数業者で見積もりを取ることをおすすめします。

結果から見るとジュエリーに強いといわれる業界最大手の「コメ兵」は、安心できる査定結果を提示してくれるとみて良いと思いますが、ノーブランドジュエリーの場合は査定に出してみないとなんとも言えないところも大きいです。

もし仮に「ノーブランドでも買ったときはものすごく高額で、品質も最高クラスに良いダイヤモンドだったはず・・・でも鑑別書をなくしてしまった・・・」なんていう場合には、あとから鑑別書を取得することもおすすめです。(※権威のある鑑別書はGIAや中央宝石研究所(CGL)などが有名)

手間はかかりますがそれだけで金額が倍になるなんてこともありえます。

逆に「そこまで品質は良くないだろう・・・」というものでしたらそんなことをしないほうが金額的に得をする場合も多いです。

今回の結果がダイヤモンドジュエリーなどを売りたいという方の少しでも参考になれば幸いです。