ブランド品を本物かどうかを見極める上で、重要な一つの指標として「ギャランティカード(保証書)」というものが存在します。
ギャランティカードは「本物を購入すれば必ず付くわけではなく」正規店以外では発行していないブランドもあったり、そもそもギャランティを発行していないブランドもあり、その扱いもブランドによって様々です。
ですが修理の時や、買取に出す際などには、重要になるケースもあります。
今回はそんなブランド品のギャランティの類に焦点を当てて、知っておくと便利な雑学を解説していきます。
このページの目次
ギャランティカードとは
ギャランティカードとは各ブランドが、その商品の品質を保証するために発行しているものです。
正規店で購入したブランド品であれば、基本的に本体商品と一緒にギャランティカードが付属していることが多いです。
ギャランティカードの意味合いは「品質の保証(ホンモノだという証)」が一番にあります。
そのためギャランティカードには商品情報の他にも「いつどこで誰が購入したか」などの詳しい情報が記載されています。
ギャランティカードの主な役目は以下です。
- 正規店・ブティックでの修理や保証サービスが受けれる
- 買取に出すときにホンモノの製品だという評価を受けれる
普通にブランド品を自分で使う分には、ギャランティどうこうを気にする必要はほぼありません。
しかし修理を受ける際や、買取に出す際にはギャランティがあることでプラスになることが多いです。
正規店でしか発行されない
ギャランティカードは基本的にブランド品を正規店で購入したときにしか発行されません。
正規店というのは「ブランドの直営ブティック」と「正規代理店」の二つのみです。
直営ブティックとは
ブランドの会社が運営している直営店のことです。
ブランド街にずらーっと並んでいる、各ブランドの店舗や、デパートの中に入っているショップもほとんどが直営ブティックにあたります。
正規代理店とは
ブランドの会社が直接、代理店契約を結んでいるお店のことです。
正式に製品を取引しているため、こちらも正規品という位置づけになります。ブランドによっては正規代理店がない場合もあります。
並行輸入品にはギャランティがないことが多い
実際にブランド品を購入するときには正規店、正規代理店以外にも、「並行輸入品を取り扱うお店」や「正規以外の通販ショップ」などで購入することもあるかと思います。
基本的にこれらのお店で購入した品にはギャランティカード類は発行されません。
並行輸入品はニセモノというわけではありませんが、ギャランティがない場合には、本物であっても正規の修理サポートまどを受けられないブランドも多いです。
並行輸入品のギャランティと本物のギャランティは違う
実際は並行輸入品もギャランティカードが付属する場合もあります。
しかしこれらには購入者の情報や、購入した場所などの情報が記載していない「空欄のギャランティ」である場合も多いです。
並行輸入品は簡単に言えば、販売店が正規店から購入してそれを販売しているものになります。
そのため並行輸入品は「業者が購入した」という形になっているため、正規品で購入した品と区別するために、無記載の空欄のギャランティを発行しているブランドが多いです。
ドン・キホーテは基本ギャランティを発行していない
ブランド品の販売でも有名な「ドン・キホーテ」ですが、売られているブランド品のほとんどが並行輸入品です。
商品自体が本物であることには変わりありませんが、ドン・キホーテで購入したブランド品にはギャランティカードはついてきませんし、多くは正規のサポートを受けることができません。
並行輸入を取扱うお店は自社で保証サービスをおこなうところも多い
ドン・キホーテは正規のギャランティこそ発行していませんが、自社のサービスとして修理などのサポートをおこなっています。
このように並行輸入品を取り扱うお店は、正規のギャランティが発行していないが、それとは別に保証しているというところも多いです。
この辺りは家電量販店などの保証サービスなどと共通するかもしれません。
オリジナルのギャランティカードなどを発行している通販ショップなども多いですが、あくまでオフィシャルとは関係ないものなので、正規サポートであったり、買取でプラスになるということはありません。
ブランドによってはギャランティがない場合も
そもそもギャランティカードはすべてのブランドで発行しているものではありません。
ギャランティを発行している主な海外高級ブランドは以下です。
- CHANEL(シャネル)
- PRADA(プラダ)
- Cartier(カルティエ)
- BVLGARI(ブルガリ)
このほかにも貴金属やジュエリーなどをメインに取扱いしている高級ブランドには、まず間違いなくギャランティカードが付属します。
しかし例外もあり、以下のブランドは保証書などを一切発行していません。
- Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)
- Hermès(エルメス)
もちろんギャランティがないからと言って正規店で修理ができないわけはありません。
本物の商品を持っていけば、正規店の修理やサポートを受けることができます。
買取におけるギャランティカードの価値
買取査定に出す際には、ギャランティカードがあるブランドは「ギャランティがあったほうが高額査定に繋がる」ことは言うまでもありません。
ただし買取店の鑑定士はプロですので「ギャランティカードがあるからこの商品は間違いなく本物」というような判断はしません。
査定員は付属品の有無ではなく、基本的には品物本体だけを見て、本物か偽物かの判断をおこないます。
しかしあまりにも偽物が多いブランドや、偽物の判定が非常に困難なブランドに関してはギャランティがないと買取不可とされることもあります。
ギャランティがないと買取不可なブランドもある
(写真:ギャラ無しだと買取不可になることが多いクロムハーツ)
ギャランティがないと買取不可になるブランドは、簡単に言うと「真贋判定が非常に難しいブランド」です。
多くの買取店がギャランティ無しだと買取しないブランドは「CHROME HEARTS(クロムハーツ)」です。(※クロムハーツではギャランティのことを『インヴォイス』と言います)
クロムハーツはシルバーアクセサリーをメインにしたブランドで、非常に精巧な偽物がかなり多く出回っています。
そのためプロでも真贋判定が難しく、インヴォイス無しでも買取してくれるお店はごくわずかです。
ブランドによってはこうした背景がありますので、心配であればギャランティ無しでも買取可能かどうか事前に問い合わせておくことが賢明です。
ギャランティカードの有無で査定が上がる理由
査定時に品物とギャランティカードがセットであると、金額アップされることも多いです。
理由としては「その中古品を次に買う人がギャランティがある品のほうが欲しがる」ケースが多いからです。
本物だという安心感もありますし、前述した中古品でありながら「正規店でサポートが受けれる」ことが大きな要因です。(※ブランドによっては購入者本人しかサポートを受けれないというケースもあります。)
プロの査定員の目からしたら、正直ギャランティがあろうがなかろうが、おおよそ本物は本物と目利きできます。
しかし次に買う人が「ギャランティカードがあると安心するしサポートも受けれる」と感じるため、ブランド品を買取に出す際にはギャランティカードがあると査定額アップにつながります。
ギャランティカードが悪用されるケースもあるので注意
本物を証明するギャランティカードは、場合によっては悪用されることもあります。
ネットオークションなどの悪質な出品者などは、ギャランティカードだけを出品していたりするケースもあり、こういった売られているギャランティを偽ブランド品に付属させ、あたかもホンモノかのように二次販売する悪質業者も存在します。
これは並行輸入品と謳っていながら、偽ブランド品を販売している悪質な通販業者などにも共通した手口の一つです。
中古品はギャランティがあるから確実に本物ではない
正規店以外で中古のブランド品などを購入するときは「ギャランティや付属品があるからといって絶対にホンモノだと信じ込まない」ことも必要です。
大手の中古販売業者が偽物を販売することはまずありません。なぜなら偽物が流通した段階で信頼が著しく損なわれるからです。
しかし通販専門のお店や、個人で取引できるオークションやフリマアプリなどは「ギャランティだけ本物で品物は偽物」というケースも考えられます。
いずれにせよ中古のブランド品などを購入する場合には、ギャランティの有無だけでなく販売元がしっかり信頼できるところかどうかを判断することが最重要です。
まとめ
ギャランティカードは「単純に本物であることと品質の保証」という役割で存在してるものの、それを利用して偽ブランド品の販売などに悪用されるケースもあります。
実際に自分が正規品としてお店で購入したものを使い続ける分には、せいぜい修理の時くらいしか出番はありません。
万が一ギャランティカードをなくしても、本人であればレシートや購入履歴などをさかのぼり、サポート対応をしてくれるケースも実際には多いです。
ですがブランド品を買取に出す際にはマイナスに働くことはありませんので、大切に保管しておくことをおすすめします。
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