ブランド品には「正規品」のほかに「並行輸入品」というものがあり、「並行輸入品=ニセモノ」みたいな風潮もあります。
そんな意外と詳しく知られていない並行輸入品の実態を、買取業者目線で語っていきたいと思います。
確かに並行輸入品ってなんだか立場が曖昧よね。ドン・キホーテなどでは並行輸入品を扱ってるっていうけど、なんか正規品には劣るっていうイメージもあるわね。
最初に言っておくと並行輸入品は偽物じゃないからね!そもそも物は正規品と同じ正真正銘の本物なんだ。ただ流通経路の違いで正規品と並行輸入品に区別されているんだ!
このページの目次
並行輸入品と正規品の違い
まずは並行輸入品と正規品の違いについて説明していきます。基本的にどちらの項目も「海外ブランド」を前提に話を進めていきます。海外ブランドは別名インポートブランドなどと呼ばれることもあります。
正規品とは
正規店・正規代理店で販売されているブランド品のこと。ブランドの直営店、もしくはブランドと直接代理販売契約を交わしている店舗にて、販売されているものが「正規品」という枠でくくられます。
並行輸入品とは
海外メーカーなどが正規店・正規代理店で販売されている商品を、メーカーとは関係ない業者が直接買い付け、国内の業者に販売し、それを小売業などで販売されているものが「並行輸入品」です。
並行輸入品と正規品の商品はルートが違うだけで、商品は全く同じです。製造されている場所も、その過程も同じです。
並行輸入品を戦略的に流しているブランドもある
並行輸入品は直接バイヤーと呼ばれる人たちが買い付けるルートが一般に知られていますが、メーカー(ブランドの本体)が直接、裏で契約している海外代理店に、並行輸入品として商品を安く流しているものもあります。要は並行輸入品を意図的に流しているブランドもあるということですが、このことはあまり知られていません。
グッチやブルガリ、コーチなんかはブランドが戦略的に多く商品を流通させるために並行輸入品の手引きもしているよ!ただ並行輸入品が多いブランドは総じて買取での評価が低かったり、中古品としての価値が低い傾向があるよ!
(画像はプラダのバッグ。並行輸入品でも物は正規品と全く同じ。)
並行輸入品のイメージがなぜ悪いか
正規品・並行輸入品ともにものはまったく同じです。ですが並行輸入品が本物だという認識はイマイチ浸透していません。まず並行輸入品の欠点を挙げていきます。
ギャランティ(保証書)が付かない
正確には付かないと言ったらウソなのですが、正確には保証書が付くものもあるが、「本物の保証書」とは違う物が付きます。
ギャランティとは正規店で買えば「商品番号(時計だとRef:リファレンスナンバー))」「シリアルナンバー」や「購入した日付」「購入した店舗」「購入者の名前」などが印字されます。
並行輸入品として購入されたものには、ギャランティが付属しても上記の情報は一切記載してもらえません。そのためギャランティとしては本物でも、実際にはほとんど意味を成しません。そもそも付いてこないことのほうが多いのですが・・・
販売店が通販からショップまで多種多様
並行輸入品を販売している店舗は様々です。有名どころでいうと「ドン・キホーテ」などが並行輸入販売店になります。ドン・キホーテで売られているものは、海外で直接買い付けた並行輸入品がほとんどです。
ネット通販などでも並行輸入品は多数取り扱われています。通販の場合特に仕入先が不透明なことが多く、並行輸入品といいながら、並行輸入品を模した偽物も混入されていることがあり、これが並行輸入品のイメージを悪くしています。
並行輸入品に偽物がどこで混じるのか?
日本に入ってくる並行輸入品も、本来はメーカーが製造した正規品と同じ商品です。ですが並行輸入品の中には、間にさらに代理店をたくさん挟んでいる場合があるとお話しました。
この海外の代理店同士のやり取り間が、偽ブランド品が一番混入されるといわれています。
精巧な偽物であればあるほど、見分けもつかず、ギャランティにも信ぴょう性がないため、こうして気づかぬうちに、並行輸入品の中に偽物が混入するというわけです。
並行輸入品って言いながらただ偽物なんてこともネットショップなんかでは問題になっているわね!正規店以外では偽物が混じる可能性があるっていうのは気を付けないといけないわ。
並行輸入品のメリット
ここまで並行輸入品の悪いところばかりをクローズアップしてしまいましたが、並行輸入品は本来ホンモノです。“ホンモノと同じもの”といったほうが正確でしょうか。
そのため実際、並行輸入品を買うメリットもあります。
並行輸入品は正規品より安い
正規品は直営店、正規代理店ともに基本的には定価で売られます。高級ブランドになればなるほど、セールなど安売りはあまりおこないませんし、安く手に入れる手段は実質ほぼ皆無です。ブランドイメージや価値を損なわないように、一切セールなどをおこなわないブランドも珍しくありません。
ですが並行輸入品では、正規品と同じものを定価より安く購入することができます。円高になれば日本の並行輸入品を販売する業者は、現地の業者から安く仕入れることができますし、そもそも日本での販売価格より、海外の販売価格のほうが安かったりする場合があるからです。
“ホンモノ”という定義になると、「正規品だけが本物」だと主張される方も多くいらっしゃいますが、“ホンモノと同じ商品か?”となれば偽りなく、並行輸入品は本物と同じ商品なのです。
修理やメンテナンスが受けれるか?
気になるのは並行輸入品は修理やメンテナンスが正規で受けれるか?だと思います。これに関してブランドによってさまざま・・・というしかありません。(すみません・・・)
例えば高級時計の代名詞「ROLEX(ロレックス)」では正規品、並行輸入品問わず、メーカー製造品であれば、サポートや故障時の修理などをすべて正規の工場で受けることができます。「OMEGA(オメガ)」も同様にメーカー製造品であれば、正規サポートを受けることができます。
ですが並行輸入品は一切メンテナンス不可というブランドもあります。
日本でも芸能人などに人気がある「FRANCK MULLER(フランクミュラー)」は正規品以外はすべてサポート外としています。正規品として発行したギャランティがなければ、一切の修理などを受けられないということです。
(後者はそういった対応もあり、中古での相場が安いなどの影響もあります・・・)
並行輸入品はホンモノ!だけど扱いには注意
何度も言いますが、並行輸入品と正規品は“まったく同じ商品”です。
ですが通販などでは特に、並行輸入品として売られながら、偽物が売られていたりということが実際あります。そのため「並行輸入品=怪しい」みたいな風潮すらありますが、本来並行輸入品は流通経路が違うだけの同じブランド品で、悪いものでは決してありません。
上に述べたデメリットなどを理解した上で、並行輸入品を安く買うことも正解なのです。
基本的にはドン・キホーテなどで売られている並行輸入品は全てホンモノで正規品とまったく同じものであることには変わりがありません。
必ずしも並行輸入品自体は悪い物じゃないけれど、並行輸入品っていいながら偽物だったりするのは注意だ!実際には本物と同じものを安く買える並行輸入品は人気もあるよ!