ブランド品好きの方でもご存じない人が多いのではと思いますが、今回は「業者オークション」などとも呼ばれるブランドオークションについて書いてみました。
これはヤフオクなどのネットオークションではなく、ブランド品の買取業者などが集まってその場でブランド品が取引される業者向けのオークションのことです。
ブランド品のセリをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
そんなオークションやってるのなんて知らなかったわ!それって私でも参加できるのかしら・・・?
買取業者は店舗販売や店舗買取以外にここでのやり取りでも利益を得ているんだよ!誰でもってわけにはいかないけど、古物商許可証さえ持っていれば誰でも参加できるよ!
このページの目次
業者のブランドオークションとは
ここでいうブランドオークションとは、簡単にいうと会場に業者、または個人業者などが集まりブランド品の「出品」や「落札」がされている場所です。
東京をはじめとする全国各地でこのブランドオークションは開催されています。規模は小さい会場でおこなわれる小規模のものから、300業者以上が参加する大規模なものまでさまざまです。
オークションの主催者
ブランドオークションの主催は様々でこれといって決まっていませんが、たいていは大手のブランド買取業者が催すことがほとんどです。
主なオークションの実例だと
- コメ兵主催「Komehyoオークション」
- なんぼや主催「スターオークション」
- ブランドオフ主催「JBAオークション」
などといったように大手の買取業者がオークションを主催しています。
コメ兵など大手の業者が主催するオークションなどは、出品される商品への信頼性も高いため必然的により多くの業者が参加します。
オークションの出品や落札には手数料なども設けられているため、主催の利益にも当然なります。多く人を集められるのであれば、自社でオークションを主催して自社で買い取りした商品を出品するのも、大手買取業者の販売ルートの一つです。
大きいオークションは名前も知ってる大手の買取業者が主催していることがほとんど!コメ兵が主催するブランドオークションは業界でも屈指の規模だよ!
取引される商品
取り扱う商品は「バッグ」「小物」「時計」「貴金属」「衣類」などのブランド品がメインです。
店頭では切手やお酒・骨董品などを取り扱う業者も増えていますが、ブランドオークションではそういったものはまず見かけません。
大規模なオークションになると
1日目:「バッグ・小物」
2日目:「時計・貴金属」
3日目:「衣類」
などのように分けられることも多いです。
ブランドオークションに出品される品物は「大手の小売りで売れ残った品」や「個人業者が安く買取した品」など多種多様です。
参加するの必要な条件
参加条件は正確にはオークションによって違いますが、共通していることは「古物商許可証」の資格を持っていることです。
古物商の資格自体取得はそこまで難しくありませんから、参加のハードルは高くないですが、残念ながら誰でも参加できるというわけではありません。
事前に会社登録または個人業者の登録をおこなわなければならないため、古物商を持っているからといって現地で飛び込みの参加もできません。年会費などがかかるオークションも中には存在します。
実際に参加する人は大手業者の従業員がほとんどです。その中に個人や小さい業者もちらほらという感じ。
コメ兵主催のオークションになんぼやの人が出品や落札にきているなんてこともありえます。
参加には古物商の資格が必要なのね!ブランド品の専門業者以外にも、リサイクルショップや古着屋の経営者なんかも参加できるってことね!
ブランドオークションはどんな風に利用されているの?
実際に買取業界においてブランドオークションはなくてはならないといってよいほど重要な存在です。
ブランドオークションの位置づけと役割を詳しく説明していきたいと思います。
落札金額が高いのが特徴
まずブランドオークションで落札される金額は店頭の買取などよりも高いのが特徴です。
はじめに買取業者の本質として知っておいてほしいのが「自分の店舗で買取するのがベスト」だということです。
当然ですが「店舗買取額<業者オークション額<店頭販売額」となるのが基本で、そうでないと業者は儲かりません。
ブランドオークションは在庫商品の処分や店頭展示の品数の確保など様々な用途で利用されますが、業者間での取引になるため落札金額はそこそこ高くなります。
そのため店舗で買取した商品を販売用店舗で売るといった自社内のみで完結する流れにするのが業者としてはもっとも利益が出るやり方です。
私たち買取してもらう側は高く買取してもらうことがベストですが、業者オークションの相場の金額を超えることはありません。それを超えてしまうと売れ残り品物をオークションで捌こうとしても、赤字になってしまう確率が非常に高くなってしまうからです。
ある意味このブランドオークションでの相場価格が買取業者にとっての買取や販売の指標とされることが多いです。
買取査定は基本的にこのブランドオークションでの相場が基準になるんだ!最低でもこの金額で捌けるっていうラインを引いてないと業者も儲からなくなってしまうからね!
実際どのくらいの値段で取引されているの?
単純にどれくらいの金額でやり取りされているかということですが、実際に買取額の高い「Louis Vuitton(ルイヴィトン)」のネヴァーフル(定価およそ13万円)というバッグを例に出してみましょう。
買取率が高い人気のネヴァーフル
ネバーフルは非常に買取率が高く店頭でも7-8割で買取できる超人気の品です。
そのため店頭買取でのMAX価格はおよそ11万円ほどですが、
同条件でブランドオークションならば9割ほどの「12万円」くらいが相場です。
この場合定価で販売したとしても利益率は限りなく低いことがわかると思います。そのくらいブランドオークションでの相場は買取相場と比較すると高くなっています。
だいたいブランドオークションで落札された品物に関しては、ヴィトンやシャネルのバッグなどは落札額プラス2万円くらいで販売、ロレックスなどの高額時計の場合でもせいぜい落札額プラス5万円くらいで販売されていると思ってください。
出品されるのは売れ残ったものだけじゃない
出品されるのは単純に売れ残ったものというわけではありません。買取業者の中には「販売店舗を持たない買取専門店」というところもあります。
こうした買取専門の業者はブランドオークションで商品を出品して利益を得ることも多いです。個人でやっている買取業者などもこの傾向が強いです。
要はブランドオークションの相場よりも安く品物を買取できれば利益を得ることができ、店舗を持たないため在庫リスクや販売コストもかからないため、買取した品物は全部オークションに出品している業者も多数あります。
店舗を持たない買取店として有名どころの「なんぼや」なんかもこうやって買取した商品をさばいているみたいだわ!たしかに効率は良さそうね・・・
品数をそろえるためにオークションを利用する業者も
自社で買い取りして自社で販売するのがベストという話をしましたが、逆に言うと業者としてはオークションで落札したものは「より高い値段で販売しないと利益が少ない」ということがわかると思います。
ではなんでそこまでして業者が購入するかというと、販売に力を入れている業者は品数もそろえることも重要だからです。どんなにいいバッグを買取できたとしても、販売時にはある程度そのほかの品数が多くないとお店としての評価は上がりません。
大手の業者で販売に力を入れている「コメ兵」や「ブランドオフ」などは販売店に行けばかなり品数が多いこともわかると思います。これらの商品は全部自分たちの店頭で買い取りした品物だけでなく、オークションなどで落札した品物も混ざっています。
在庫処分から商品補充まで用途は多様
このようにブランドオークションは在庫の処分や、買取した商品の換金や利益の確保だけでなく、店頭の販売商品の補充など、業者によってさまざまな用途で利用されます。
当然落札された商品はどこかで販売しないと利益になりませんから、国内外問わず業者ごとのこれまた多様な販売ルートで誰かの手にわたります。
あまり表に出てくるような話ではありませんが、買取業者の特徴として「買取」「販売」という目に見える部分のほかにも「業者間のオークション」の存在も知っておいていただけたらなと思います。
ブランドオークションは買取業者にとってはかなり大事なシステムの一つなんだ!こうやってライバル業者同士も上手に取引してつながっているんだよ!