腕時計の世界の頂点と言われるのが「雲上ブランド」と言われる3つの超高級腕時計ブランドです。
「雲上:うんじょう(goo辞書)」とは文字通り雲の上を意味する言葉で、「雲の上のような存在である時計ブランド」であることから、いつしかその3つのブランドを“時計の雲上ブランド”というようになりました。
同時に世界3大高級腕時計ブランドとしても、雲上ブランドは呼ばれています。(世界5大というものもありますがここでは略・・・)
その3つのブランドとは
- Patek Philippe(パテック・フィリップ)
- Audemars Piguet(オーデマ・ピゲ)
- Vacheron Constantin(ヴァシュロン・コンスタンタン)
という3つのブランド。時計にそこまで興味のない人にとっては、聞いたことない名前も多いかもしれませんが、この3つのブランドは歴史が深く、世界的にステータスが認められている名誉あるブランドなんです。
このページではそんな本物のお金持ちにしか持つことができない、超高級腕時計について詳しく書いていきたいと思います。
あわせて読みたい記事
[quads id=1]
このページの目次
雲上ブランドの時計は何がすごい?
これら雲上ブランドという時計は、もはや「実用時計」という範疇では収まり切りません。実際に時計でありながら防水性能を備えていなかったり、素材も傷つきやすい金やプラチナといった繊細な素材を使用しているものもあります。
もはや時計でありながら、一つの美術品のようなものなのです。そのため値段に対して価値がどうとかじゃない所有することそのものに価値があるのです。
いわゆる高級時計として、日本でも多くの方が知っている「ROLEX(ロレックス)」や「OMEGA(オメガ)」などのブランドも、一般的には高級ブランド・贅沢嗜好品であります。
ですが、それらをもってしても、上の3つのブランドとは比較になりません。どれも100年以上続くブランドで、“古来欧州での王族や貴族から好まれていた”そういった深い歴史を持つ時計ブランドなのです。
(photo by Blake Buettner)
細部に宿る職人の技
時計の命であるムーブメントには、それぞれのブランドの職人の息吹が宿ります。当然一つ一つ職人の手作りの作業によって、すべての時計が生み出されます。時にゴールドやプラチナといった素材を適材適所で使用しながら、時計の内側に隠されたムーブメントすら芸術品の域です。
雲上ブランドいくらで購入できるの?
値段に関してはピンキリという言葉がぴったりなほどです。しかしながらキリといっても“200万円~”が現実的な最低ラインです。
上記3つのブランドの最も安いエントリーモデルがぎりぎり買えるか買えないかのラインがおよそ200万円です。
それ以下で買おうとするのはほぼ不可能といってよいでしょう。素材は一番安いステンレスモデルから、18Kを使用したモデルや、最も高級なものはプラチナ製のモデルなど様々です。もちろんダイアモンドなど宝石類を使用したモデルなどは、家一軒が余裕で購入できてしまうような値段の時計もあります。
ステンレススチール素材(通称:SS)は最も安いといえ200万円以上するものがほとんどなので、雲上ブランドがどれほどすごいかが分かるかと思います。
雲上ブランドのそれぞれの特徴や人気のモデル
ここまで3つのブランドを並列して扱ってきましたが、どれも個性的な時計ブランドであることは違いありません。それぞれのブランドの特徴や、「世界3大高級腕時計」と呼ばれる所以をご紹介していきます。
Patek Philippe(パテック・フィリップ)
(photo by Kamal Aboul-Hosn)
雲上ブランドの中で、個人的に一番知られているだろうなと思うのが「Patek Philippe(パテック・フィリップ)」です。パテックやパテなんて略称で呼ばれることも多いです。日本でも芸能人や、お笑い芸人なんかでも愛用者が多いことでも知られています。
150年以上もの歴史を持ち、イギリスのヴィクトリア女王やアインシュタインなども愛用したと言われています。性能ももちろん優れていて、高級モデルなどに備えられている、リューズを巻かなくとも、永久にうるう年なども含めたカレンダーを刻み続ける「永久カレンダー」などが有名です。他にも天文星座図を表示したり、時計ブランドの中でも屈指の複雑な機構をいくつも作りだしています。
保障や修理も永久に受け付けてくれることも有名で、どんなに古いモデルでも正規の修理工の手で修理が可能です。そんなまさに一生物の時計なのです。
パテックの代表的なモデル
パテックには超高級腕時計ブランドでありながら、実用性も兼ねたスポーツモデルから、複雑な機構を搭載したモデルまでさまざまです。
カラトラバ
パテックの代表的モデルである「カラトラバ」。パテックの黎明期からモデルチェンジを繰り返しつつも、古き良き時計のフォルムを活かしたデザインになっています。手巻きモデルも人気であり、本当に時計好きな方がする時計という感じがします。定価だと250万~から購入することができます。
ノーチラス
「ノーチラス」はカラトラバとは全く異なる、超高級時計では珍しいスポーツモデルの時計です。そのため実用性も兼ねていて、薄いケースから想像できない、ダイバーウォッチとも等しい防水性能などを備えています。カラトラバと並びパテックの大人気モデル。定価だと300万~から購入することができます。
Audemars Piguet(オーデマ・ピゲ)
(photo by section215)
頭文字を取って「AP(エーピー)」などとも呼ばれる「Audemars Piguet(オーデマ・ピゲ)」。古くから歴史のある時計ブランドでしたが、人気をここまで不動のものにしたのが「ロイヤル・オーク」というモデルの存在です。ラグジュアリースポーツウォッチの先駆けとして、超高級腕時計の中でもひときわ目立つ、圧倒的な人気を博しています。
世界中のお金持ちにここまで支持された、スポーツウォッチを開発したのがAPなのです。
オーデマピゲの代表的なモデル
オーデマピゲでも様々なモデルがラインナップしているものの、大半の任期を集めているのがスポーツモデル。もはやオーデマピゲといえばスポーツモデルというイメージが定着しています。
ロイヤル・オーク
APを買う人はほとんどがこのロイヤル・オーク目当てといっても過言ではないでしょう。スポーツウォッチでありながら、高級感のある独自のデザインです。ステンレススティールから、18金、プラチナ製、ラバーバンドのモデルなど様々なラインナップがありますが、個人的には一番シンプルなステンレスモデルの美しさが、ロイヤルオークのすべてを物語っていると思います。定価だと230万~から購入することができます。
Vacheron Constantin(ヴァシュロン・コンスタンタン)
(photo by 246-You)
3つのブランドの中で最も長い250年以上の歴史を持つのが「Vacheron Constantin(ヴァシュロン・コンスタンタン)」です。日本では一番馴染みのないブランドかもしれませんが、マニアの間では「ヴァシュロン」の呼び名で知られる、超老舗時計メーカーです。
欧米の王族やエジプトの国王なども愛用したとされていて、世界一歴史ある時計メーカーといわれる所以にもなっています。王族や貴族などに好まれるだけあり、上の二つに対しさらに高級感のある、全体的にシンプルな時計デザインがヴァシュロンの特徴です。マルタクロスという十字架を模したロゴがヴァシュロンの象徴です。
ヴァシュロンの代表的なモデル
ヴァシュロンにも普段使いができる実用性を兼ねた「オーヴァーシーズ」と、シンプルかつ圧倒的な気品を持つ「パトリモニー」というモデルが人気を二分しています。
オーヴァーシーズ・クロノグラフ
高い耐磁性と簡易防水も備えた日常使いにも向いた、超高級腕時計として人気があるモデルが「オーヴァーシーズ」モデルです。美しいステンレスベルトと、モチーフであるマルタクロスが折り重なって、唯一無二の高級感を持つステンレス製の腕時計になっています。定価だと180万~から購入することができます。
パトリモニー コンテンポラリー
究極にシンプルな時計を作らせたらこういう時計になるのではないか、というシンプルを極めたデザインが「パトリモニー コンテンポラリー」です。ゆえに本物のお金持ちのみが好み、ただただ目立ちたい、金持ちそうに見える時計がしたい方には好まれない時計でしょう。中心に据えられたマルタクロスがこちらも美しいです。定価だと170万くらいから購入することができます。
雲上ブランドなんて誰が購入するの?
“安くても200万以上する時計なんて誰が購入するの?”と時計に興味ない方からの声がどこからか聞こえてくるようです(笑)
もちろんすべて手作りで製造されていて、製造数が限られていることもありますが、これらのブランドの人気モデルは新品だとほとんど買えません。それくらい人気があります。上で挙げたパテックの“ノーチラス”の一番シンプルなモデルでも購入には2年以上待たされると言われています。
それだけにブランド買取業界目線でも、上の3つのブランドは値崩れもあまりしません。特に人気のモデルだと、定価以上の値段で取引されるものもしばしば。限定モデルなんかも多数存在するため、資産価値としても非常に高いです、
これらを購入されるような方は、華麗なる経歴をお持ちの由緒ある家柄の方や、ご自身の力で成功を成し遂げた経営者の方などがほとんどでしょう。そういった人をも虜にする魅力があるのが雲上ブランドです。
時計にちょっと興味を持っただけでは、とても手が出せない代物だけに、いつかは手に入れたいそんな不思議な魅力が「雲上ブランド」には詰まっています。
あわせて読みたい記事
[quads id=1]