ルイヴィトンは国内外問わず、非常に人気が高く、新品だけでなく数多くの中古品があらゆる市場で出回っています。
しかしその人気の高さが裏目に、「偽ブランド品がもっとも多い」のもルイヴィトンです。
世界規模で本物以上の数の偽物が製造されているのです。
正規店で購入する以外の方法で手にしたルイヴィトンの品物は、少なからず偽物の可能性があることは間違いありません。
今回はルイヴィトンの真贋のやり方を、誰にでもわかるように解説しています。
実際に「正規品と模造品の比較」もしていますので、ある程度の項目をチェックしてもらえれば、プロの鑑定士でなくとも、偽ルイヴィトンを見破ることができます。
このページの目次
ルイヴィトンの偽物を見分けるポイント
ルイヴィトンの偽物は皆さんの想像している以上に広く出回っています。
実際に私はネットオークションやフリマアプリなどでも、品物を購入したりしていますが、そういった市場にはまだまだ大量の偽ルイヴィトンが出品されています。
まずは誰にでもルイヴィトンの真贋を見分けることができるポイントをまとめていきます。
ルイヴィトンの個体番号(シリアルナンバー)について
ルイヴィトンの正規品には必ず「6桁の個体番号(シリアルナンバー)」が記載されています。
また、これは商品を示す「製品番号(Ref.リファレンスナンバー)」とは異なります。
シリアルナンバーは全部で6桁の英数字で記載されていて
- 頭文字二桁がアルファベット⇒製造国を示す
- 後ろの四桁が数字⇒製造年月日を示す
こう言った意味合いもあります、
まず「本物の品物にはどこかしらに必ず刻印がある」という特徴があります。
そのため、これがないものは偽物でほぼ確定と言って良いでしょう。
偽物にはシリアルではなく製品番号が入っているケースがある
上記で触れた通り、ルイヴィトンにはシリアルナンバーではなく「製品番号(リファレンスナンバー)」というものもあります。
数字の違いは以下のようになっています。
- シリアルナンバー:AB1234(アルファベット2桁+数字4桁)
- リファレンスナンバー:A12345(アルファベット1桁+数字5桁)
リファレンスナンバーは製品に記載されることは絶対にありません。
ただ偽物にはリファレンスナンバーが記載されているケースもあるため、アルファベットの桁を確認するとすぐにわかります。
シリアルナンバーの見つけ方
ためしに写真のカードケースのシリアルナンバーを探していきたいと思います。
パッと見開いても見つかりませんが、カードポケットの裏側にありました。
このようにバッグや財布などの革製品の場合は「内ポケットなど裏面に刻印されている」ケースが多いです。
こうやって見てもよくわからないほどなので拡大すると・・・
これでやっと読み取ることができました。番号は「CA3088」となっています。
古いものだとアルファベットや数字組み合わせが異なる場合もありますが、正規品にはどこかしらに必ず刻印があります。
シリアルナンバーの読み方
少なからず例外はあるものの製造番号は「AB0123」といったように、最初の二桁がアルファベットで後の四桁が数字の計6文字で形成されています。
最初の二桁に関しては以下のように区分されます。
製造国 | アルファベットの組み合わせ |
---|---|
フランス | AN AR AS BA BJ BU CT DU FL LW MB MI NO RA RI SL SP TH SR |
スペイン | CA LO LB LM GI |
アメリカ | FH SD OS LA FC |
イタリア | CE FO RC BO BC RE MA TD |
スイス | FA |
ドイツ | LP |
例えば最初の二桁が「AN」から始まる番号であれば「製造国がフランス」だということを表します。
後半の数字に関してはちょっと複雑な組み合わせですが、製造年月を表します。
4桁の数字の最初と3つ目は製造された週を表し、2つ目と4つ目で製造年を表します。
先ほどのカードケースの番号は「CA3088」となっていましたので、この場合「生産国はスペイン」で「2008年の38週目」に製造された品だということ数字から読み取れます。
シリアルが入っていない本物のレアケース
正規品でもシリアルが入っていないケースがごくわずかに存在します。
それは、正規店でリペアを行い、それによってシリアル部分が取られてしまうケースです。
例えばバッグの内側にシリアルが刻印されていても、中の革を全部張り替えたりしてしまうと、その際にシリアルは刻印されません。
そういったレアケースでのみ、シリアル無しの正規品が生まれます。新品の場合はありません。
外見から偽物を見分けるポイント
シリアル以外にも偽物を外見から判別できるポイントもあります。
誰にでも簡単に偽物だと見分けられるポイントだけを解説していきます。
Louis Vuittonロゴの形
品物に必ず記されているルイヴィトンのロゴですが、偽物を見分ける上で、もっとも大きなポイントの一つです。
上記の写真の品物も、右側が精巧な作り偽物ですが、字体などを比べると若干違うのがわかると思います。
これ以外にも「Louis Vuitton」の「o」の部分が楕円になっているなどのケースもあり、本物の字体と比較すると、偽物は「ロゴが少し違う」というケースがほとんどです。
ちょっとでも違和感があれば、正規のロゴと見比べてみると良いと思います。
金具の形状が異なる・妙に安っぽい
少し抽象的な表現になってしまいますが、偽物の場合は金具部分に安っぽさが感じられます。
ロゴの溝が浅かったり、綺麗に研磨されていなかったり、面取りがしっかり行われていない場合は要注意です。
金具に変な線が残っていたり、作りが粗いと感じる品は偽物のケースが多いです。
素材感では判別が難しい
それとよく言われるのが「素材感」ですが、正直素材感だけで素人の方が見極められるのは、よほど稚拙な偽物のみです。
ルイヴィトンはPVCレザーという特殊な人工皮革を使用していて、これ自体はそこまで製造が難しいものではありません。
触って判別するのは非常に難しいです。
実際に正規品と模造品を比べて違いを比較
実際にルイヴィトンの「バケット」というバッグの、正規品と偽ブランド品を比較してみます。
まず上記の写真だと、左が本物、右が模造品になります。
そして前提として、模造品の方も「本物としてネットで売られていた品」になります。
ぱっと見は偽物もそれなりの品質に見えますが、細かな部分を比べていくと作りが雑なのがわかります。
金具の作りが異なる
まず一番違いがわかるのが金具部分の作りです。
これに関しては「持ち手の金具」と「底鋲」が大きく異なっていました。
持ち手の金具の形状が違う
そもそも作りが違います。そして金具も正規品は丸みがあるのに対して、模造品は角ばっています。
知っていなければわからないですが、これは正規品と比べれば一目瞭然なので、正規品の写真などをネットで探して、見比べればすぐにわかります。
底鋲の形状が違う
バッグの底部分にある金具に関しても、形状が異なっていました。
正規品は綺麗な丸型なのに対して、模造品はいびつな形で先端が少し尖った金具が取り付けられています。
外側の革部分に不自然な線が入っている
さらにパッとみてわかる部分としては、バッグの底付近にある革の部分に不自然な線が入っていました。
模造品には、不自然なラインが二本入っています。
製造工程で付いてしまったものだと思われますが、こういったものは正規品の場合絶対ありません。
作りの粗さはこうした部分にも表れています。
バッグの内側は見分けられる違いが多い
バッグの内側部分には、見分けられるポイントが多く潜んでいました。
そもそも革の素材感が違いますし、模造品は細かな箇所に稚拙さが表れていました。
ロゴ部分の字体が少し異なる
模造品は全体的に少し間延びしたようなフォントになっています。
®️の部分も大きくて薄いですし、極めつけは「France」の「e」が潰れてしまっています。
縫い糸も細く異なっていますし、ロゴの形をなんとなく覚えていれば、偽物だということが判別しやすいです。
ジップの作りが雑になっている
実際にみないと、写真だとわかりづらいものの、模造品の方はジップに取り付けの端の部分ががたついています、
それ以外にここも縫い方が異なっていますし、比べると違いが大きく表れています。
シリアルナンバーの違い
こちらもそもそもの作りが違っていて、シリアルナンバーが入っている革タグの形状も異なります。
模造品には番号も入っていないため、ここを見れば一目で偽物だということがわかります。
わからない場合は買取店などで査定依頼する
一口に偽物と言っても、稚拙な品から極めて精巧に作られた偽物まで幅が広いです。
上記の模造品は比較的判別しやすい偽ルイヴィトンにすぎません。
ただ流通している模造品の多くが、実際はこの程度のクオリティであるケースも多々あると言えます。
正直、極めて精巧な偽物を、素人が正規品と区別することは限りなく不可能です。
その場合は質屋か買取店などで、査定依頼するのがおすすめです。
質屋や買取の偽物の基準について
一点注意していただきたいのが「質屋や買取店で買取不可と言われたから100%偽物だとは限らない」ということです。
そもそも査定の段階で、そうしたお店で「偽物です!」と断定されることはありません。
あくまでも「弊社では基準外です」といった表現がされます。
基準に関しては、偽物か本物か以外にも状態が極めて悪いものや、上記したように正規品でもシリアルが消えてしまった品なども含まれています。
また査定員の知識や鑑定眼にも差がありますので、たまたま正規品が偽物だと判断されるケースもないこともありません。
状態が良いのに理由なく買取不可とされる品は高確率で偽物
もちろん査定員も「どうして買取不可なのか?」といえば、決定的な理由があるときは答えてくれます。
しかし偽物だと断定することは、ルイヴィトンの正規店しか行いませんので、状態が良いし、普通に買取できそうな品を買取不可とされる場合は高確率で偽物です。
複数店で査定して、買取不可が続けば、特別な理由がない限り偽物だと断定して良いと思います。
まとめ
今回は実際にルイヴィトンの同じ製品で、正規品と模造品を用意して比較してみました。
ただ、これ以上に精巧な模造品もいくらでも流通していますので、当てはまらなかったからといって確実に正規品とは言えません。
しかしここで記載したチェックポイントを確認すれば、プロの鑑定士でなくとも、ある程度の偽物を見破ることができると思います。
少しでも偽ブランド品の撲滅を進めると共に、誤って購入しないように注意喚起していただければ幸いです。
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