「ROLEX(ロレックス)」の腕時計は精巧な機械ですので、長く着用するためには定期的にメンテナンスに出す必要があります。
今回は腕時計のメンテナンスにあたる「オーバーホール(分解洗浄)」についての基礎的な知識や知っておきたいポイントなどをまとめています。
ロレックスでは正規サポートに当たる「日本ロレックスでオーバーホールする方法」と「社外の修理店や時計店でオーバーホールする方法」の二つがあります。
それぞれのメリットやデメリットや「具体的にどれくらいの料金がかかるのか?」なども解説していきます。
これからお手持ちのロレックスをオーバーホールに出そうとお考えの方は目を通してみてください。
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このページの目次
ロレックスは定期的なメンテナンスが不可欠
ロレックスの腕時計はすべて「機械式(対義語:クォーツ)」と呼ばれる機構が使われています。
現在発売されているロレックスのモデルは全て「自動巻き」となっていて、腕を振ることで自動的にゼンマイが巻かれ腕時計を動かす構造になっています。(※古い品は手動でゼンマイを巻く機構の手巻き式もあります。)
いずれにせよ長年使っていると内部の歯車のオイルが減ってきたり、歯車などの部品が摩耗していき、そのまま使用していると故障に繋がります。
そのためすべてのロレックスは定期的に中のムーブメント部分を洗浄したり、オイルを差し直したり、場合によってはパーツ交換をする必要があるのです。
オーバーホールの内容について
オーバーホールとは分解洗浄のことを差す言葉ですが、機械式腕時計の定期的なメンテナンスの総称とも言えます。
オーバーホールな主な内容と工程は以下のようになっています。
- 裏蓋を開きムーブメントを取り出し分解する
- 故障個所などをチェックし、場合よってはパーツを交換
- 細かな部品や歯車などを全て洗浄
- 歯車などにオイルを全て差し直す
- 元通りに組み立てなおす
まずこのように中のパーツをすべてばらしチェックして、故障や摩耗している部品は交換になります。
使える部品に関しても一度すべて洗浄し、元通りにオイルなどを差し直し組み立てるのがオーバーホールの主な内容です。
オーバーホールする最適な期間は3年に一度
ロレックスの腕時計のオーバーホールする最適な期間は3年に一度、少なくとも5年に一度はおこなうことを正規サポートでも推奨しています。
使っていくと徐々に時間のズレや誤差が大きくなっていくため、そうなってきたらオーバーホールする目安といっても良いでしょう。
それ以外にも極端に稼働時間が短かったり、24時間程度の間に何分も時間がずれるという場合には、ムーブメント内部にどこかしら異常がある場合が多いので早めにオーバーホールするのがおすすめです。
長くオーバーホールしていないと故障の連鎖や修理不可になる場合も
多少の部品の摩耗などで時間に誤差が出ることは比較的よくあることです。
それだけのパーツ交換では大した金額はかかりませんが、そのまま放置しておくと連鎖的にほかの部品にも不可がかかり故障の原因となります。
その他にもあまりに長い間オーバーホールせずに使用していると、オイルが完全に切れ、中の歯車が錆びたりしてしまい、最悪の場合は完全に元通りにすることが不可能となる例もあります。
ロレックスは古いアンティーク品なども人気ですが、定期的にオーバーホールしていたかどうかで中の状態が大きく異なります。
長くロレックスを着用していくためには、最低でも5年に一回、故障していると感じたらすぐにオーバーホールすることが重要なのです。
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オーバーホールはどこでするの?業者や価格などの基本情報
実際にロレックスの腕時計をオーバーホールするときには、以下の二種類の選択肢があります。
- 日本ロレックス、正規サポートに出す
- 社外の時計店や修理店に出す
どちらを選ぶかで金額やその後のフォローなども変わってきますので、それぞれのメリットやデメリットなども踏まえて解説していきます。
正規サポートの日本ロレックスでオーバーホールについて
正規サポートでオーバーホールをする場合には「日本ロレックス」に依頼する必要があります。
時計の出し方は基本的に二つで「東京丸の内にあるサービスセンターに時計を持ち込む」「郵送で腕時計を送る」のどちらかです。
詳しくは公式サイト「ロレックスのアフターサービス」に詳細があります。
購入したのが正規店や正規代理店であれば店舗に預けてそこから送ってもらう方法もありますが、その分の手数料を取られるため、多少の手間を惜しまなければ自分で郵送するのがベストです。
公式サイトや電話などで問い合わせれば無料で「腕時計専用の梱包キット」を送ってくれますので、安心してロレックスを送ることができます。
配送後は見積もりをもらい、了承後に作業の開始となり、だいたい一か月程度で完了します。
正規サポートのオーバーホール費用の目安
日本ロレックスにオーバーホールを依頼した際の費用は、あくまでモデルや状態によって異なるものの「平均価格は6万円-10万円程度」です。
上記では基本の「オーバーホール料金が45,000円」となっていて、それ以外の交換パーツなど諸々合わせ「合計8万円」となっています。
基本料金はモデルによって異なり、現在は以下の金額となっています。
- オイスターパーペチュアル・デイトジャスト:43,000円
- エクスプローラーⅠ:43,000円
- サブマリーナー・GMTマスターⅡ:45,000円
- デイトナ:60,000円
※同モデルでもコンビや金無垢・プラチナ製モデルなどはさらに高額となります。
簡単に言うと高級なモデルほどオーバーホール基本料も高額だと考えてください。
これプラス修理箇所によって加算されていきますので、安くとも6万円程度で、修理箇所が多めになると10万円を超えることもあります。
日本ロレックスの場合「ケースの磨き・研磨(ポリッシュ)」も基本料金に含まれていて、完了した状態はかなり綺麗に仕上げられて返ってきます。
しかし中には傷なども味わい深いとする趣向の方もいらっしゃいますので、磨きを希望しない場合には見積もりの段階でポリッシュ不要と伝えておきましょう。
正規でオーバーホールをするメリットは?
正規日本ロレックスでオーバーホールをする一番のメリットは「正規の修理保証書がもらえること」です。
ロレックスはもちろん正規品でなければ修理をすることはできませんし、修理保証書はインヴォイス代わりにもなります。
実際に真贋代わりに日本ロレックスにてオーバーホールの見積もりをお願いする人もいます。(※偽物だと見積書を発行してもらえない)
もし仮に売るときにも修理保証書は「いついつにオーバーホールした」という保証になりますので、直近でオーバーホールがされているとなればその分査定額にも反映されます。
部品なども当然すべて正規部品で修理が行われますので、安心できるという面でも日本ロレックスが一番確実です。
非正規の時計修理店でオーバーホールについて
正規サポート以外にもロレックスをオーバーホールしてくれる時計屋や専門修理店なども多いです。
お店によってクオリティはピンキリでトラブルがあることもあるようですが、作業の質に関しては正規とほぼ変わらないという優良店もかなり多いです。
部品も社外品を使用して修理するところから、正規部品を取り寄せて修理するところなど様々です。
正直内容がかなりお店によって異なるため、正規店と違いしっかり確認してから利用することが重要です。
時計屋や修理店でのオーバーホール費用の目安
非正規店でのロレックスのオーバーホールにかかる費用はお店によってかなり幅があるものの、全体的な「平均としては正規よりも2万円-3万円程度安い」くらいが相場です。
実際にロレックスのオーバーホール費用3年に一回で8万円程度というのはかなり高いですし、少しでも安く抑えたいという場合には非正規店もおすすめです。
ただし極端に費用が安いところは「修理は全て社外部品を使用する業者もあるため注意」が必要です。
社外部品で修理するときの弊害について
実際に社外パーツを使用したからといってすぐに壊れたりすることはほとんどありません。
しかし社外パーツを一度入れてしまうと、その後日本ロレックスで修理やオーバーホールを依頼すると、そのパーツは壊れていなくとも正規部品と交換されます。
要はその分壊れていなくてもパーツ交換代がかかるということがデメリットです。
非正規店を使い続ける分にはまったく問題ありませんが、正規サポートを使用したいとなったときのことを考えると社外パーツはあまりおすすめできません。
非正規店でオーバーホールをするメリットは?
メリットは「価格が安い」という点に尽きます。
正規でオーバーホールすると最低でも6万円程度はかかるためかなり高額です。
非正規店あれば、安いところだと「3万円-4万円程度」でオーバーホールできるため安さを求めるならおすすめです。
非正規店でも正規部品を取り寄せているお店を選ぼう
非正規店でオーバーホールをするにしても、後々のことを考えるなら「修理の際に正規部品を使用している業者」を選ぶのが得策です。
完全に全て非正規部品を使用している業者よりも、その分金額は高くなってしまいますが、それでも日本ロレックスよりは「30%程度(2万円-3万円程度)安くなる」ことが多いです。
修理には正規部品を使用していて信頼できるお店の一つに私自身も利用したことがある「千年堂」というお店があります。
そちらも比較的安くロレックスのオーバーホールを請け負ってくれて、かつ仕上がりも丁寧なので少しでも安くオーバーホールをしたいという方にはおすすめです。
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まとめ
ロレックスのオーバーホールに関する費用などについて具体的に解説していきました。
余裕があれば日本ロレックスでオーバーホールをするのがもっとも無難ですが、しっかりしたお店であれば社外でオーバーホールをしても問題はありません。
壊れにくく長く使える時計として知られるロレックスですが、オーバーホールをしていない期間が長いとけっこう簡単に不備が発生するものです。
実際にロレックスが優れる点は修理の手厚さとも言われています。
ロレックスでは30年以内に発売されたモデルに関しては、すべての交換部品がストックされていて正規サポートでの修理が可能です。
それ以上前の品に関しては、保証こそされていませんが、パーツが残っていれば修理してもらえるため、ロレックスは中古品なども安心して購入できるのです。
ロレックスのみならず機械式の腕時計は使用していくうちに、多少の時間のズレやなんらかの不具合が起きることは多いです。
あまり長い間放置するのではなく、気になってきたらできるだけ早めにオーバーホールしてもらうことが、長く使い続ける秘訣です。
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