「千年堂」はロレックスやオメガなど高級時計の「修理」「オーバーホール」をしている時計店の中でも特に人気の業者です。
高級時計をオーバーホールする際には「安心できる業者選び」が必須です。
もちろん正規サポートが一番安心ですが、その分一番高価なのも事実です。
今回は愛用しているロレックスを実際に千年堂でオーバーホール依頼をしてみました。
実際、日本ロレックスでオーバーホールするよりどのくらい安いのか?また仕上がりはどうか?といった気になる箇所を徹底解説しています。
ロレックスをオーバーホールに出そうとお考えの方はぜひチェックしてみてください。
このページの目次
時計修理の「千年堂」とは
「千年堂」は高級時計の修理やオーバーホールなどで実績のある業者の一つです。
店舗などは構えていませんが、ネット上の口コミなどで評判を集め、かなり多くの高級時計を修理実績を積んでいます。
ロレックスやオメガなど高級時計の修理を取り扱う
千年堂はあくまで高級時計専門の修理屋さんです。
取り扱う主要なメーカーは以下です。
- ROLEX(ロレックス)
- OMEGA(オメガ)
- TAG Heuer(タグ・ホイヤー)
- PANERAI(パネライ)
- IWC(アイダブリュシー)
- Cartier(カルティエ)
- BVLGARI(ブルガリ)
など
高級時計といわれるブランドならば、基本的になんでも請け負ってくれます。
修理には正規部品を取り寄せて使用
オーバーホールや修理を見積もる際に気になる点としては「正規の部品を使用しているか」ということが挙げられます。
千年堂では修理やパーツ交換になった際には、正規店からパーツを取り寄せ使用しています。(※一部「ゼンマイ」「パッキン」のみ自社製を使用)
そのため社外パーツで修理されたくないという場合でも安心してお願いできる業者です。
今回オーバーホールに出した時計
実際に今回千年堂にお願いしたのは、ロレックスの「GMTマスター2」というモデルになります。
正規店で購入してだいたい3年ほど経ち、最初のオーバーホールに千年堂を選びました。
使用頻度や状態
購入しておよそ3年間に渡り、公私ともにほぼ毎日着用していました。
その間のメンテナンスなどは一切しておらず、一日足らずでも1.2分程度ずれてきてしまうことから、そろそろオーバーホールに出さないといけないかなと感じていました。
ロレックスの場合およそ「3年-5年」に1回はオーバーホールすることを推奨していますので、少し早いですが長く愛用するのであれば仕方がありません。
小傷や埃なども目立つ
さすがに3年間ほぼ毎日使い続けていたので、小傷なども目立っていました。
ベルト部分の隙間やベゼルの隙間などにも埃が溜まってきていて、味が出ているといえば聞こえはいいものの、お世辞にも綺麗とは言えない状態です。
この時計は初めてのオーバーホールでしたので、この辺りがどれくらい綺麗になって返ってくるのか楽しみです。
実際にロレックスをオーバーホールしてみた
今回「千年堂」を選んだのは、価格が安いと謳っている点に加え、ネットの口コミなどを拝見し評判が良かったからです。
そして修理には正規パーツを使用するという点も安心できました。
正規パーツでない修理をおこなうと、次回正規サポートでオーバーホールに出した際に、壊れていなくとも社外パーツは全部交換になってしまいます。
今後も一切正規ではオーバーホールしないと決めているならいいですが、そうでないと今後正規でオーバーホールしたときに値段が跳ね上がってしまいます。
その可能性も踏まえて、正規パーツを使用して修理してくれる千年堂を選びました。
申込み手順
申込みといっても、まずは「無料見積もり」をお願いすることからはじまります。
一度時計を向こうに送って、中の状態を確認してもらい、オーバーホール(分解洗浄)に加えてどこの修理が必要かどうか確認してもらった上での見積もり確定となります。
それをこちらが確認した上で、作業の可否を決める工程です。
申込みは以下のように公式サイトのフォームを入力します。
申込みはこれで完了です。確認用のメールも届くため確認しておきましょう。
後日「無料見積もり用の梱包キット」が手元の届き、これに時計を梱包して返送します。
宅配キットの到着
申込みから2日後に無料見積もりパックが自宅に届きました。
比較的小型のダンボールで送られてくるため、宅配ボックスなどに入れてもらうことも可能だと思います。
梱包キットの中身
梱包キットの主な中身は以下です。
- 時計を梱包するボックス
- 断衝材
- ゆうパック用封筒
- 伝票
これに加えて「返送用のマニュアル」が入っているので、この用紙に従って作業をおこなえばOKです。
かなり丁寧に書かれているため、まず間違えることはないと思います。
時計を梱包して送付
(発送7/20翌日到着)
一番肝心な腕時計を入れるボックスは主にクッションでできていて、破損などが起きないようにかなり厳重な作りをしていました。
腕時計の輸送は正直不安でしたが、これなら安心できるかなと思えます。
オーバーホールに出す腕時計をこのようにセットして蓋をします。
蓋の裏面にもクッション材が付いているので、トラックで事故などが起きない限りは、何が起こっても大丈夫そうな作りです。
蓋をしてさらにカバーをかぶせ、断衝用のプチプチで包みます。
高級時計を送るってどんな感じの梱包がされるのだろう・・・と少し不安でしたが、これであればだれにでも簡単に梱包できますし、見た感じもかなり頑丈そうなイメージを受けました。
最終的にはこのように梱包して、集荷依頼して宅配員に渡します。
特に別で申し込み用紙などもなく、記入するのは送付伝票のみでしたので、作業自体も非常に手軽にできました。
発送して翌日に無事時計が向こうに到着したとメールで連絡がきたので一安心です。
見積もりは到着後「1週間-2週間」程度要するようです。
少し長いと感じましたが、中を開けて確認するなら致し方ありません・・・正規サポートやその他の修理店でも同様の対応のようです。
見積もりと日程納期
見積書は到着から11日後にメールで届きました。
オーバーホールの基本料金がまず「33,500円」で、その他具体的な修理箇所は以下のようになっていました。
- パッキン交換:1,700円
- ゼンマイ交換:4,000円
- ヒゲゼンマイ修正:4,000円
パッキンとゼンマイは消耗品なので、基本的にオーバーホールに出すとその都度交換される部品です。
少し時間ずれが大きくなったように感じたのは「ヒゲゼンマイ」の偏心が原因だったようです。
全部トータルで税込み「46,656円」といった見積もりでした。その後正式依頼はメールの返信でおこないます。
千年堂では無料でもクリーニングサービスが付いていますが、もう少ししっかり傷などを落としてほしかったので、オプションにある10,000円の「ライトポリッシュ」も選択しました。
もう一つ20,000円の「外装仕上げ」というものもありますが、こちらは完全にピカピカに仕上げるいわゆる「新品仕上げ」と呼ばれるものみたいです。
個人的にそこまでやると味がなくなりそうだと感じたので、今回はライトポリッシュまでに留めておきました。
オプションを追加したことによって、最終的には税込み総額「57,456円」という価格で、正式依頼いたしました。
納期は基本「4週間」とのことですが、お盆休みと被ったこともあり「1-2週間」遅れる場合があるとメールに記載されていました。
完了と仕上がり
正式依頼からちょうど30日で腕時計が返送されました。
少し遅れる可能性があるとのことでしたが、ほぼ4週間の納期とぴったりだったので良かったです。
返送時にも行きと同じように綺麗に梱包されていました。
当たり前ですが、こうした丁寧な対応は大事な腕時計を預けている分ありがたいです。
開けてみると、時計を一緒に交換された部品も同封されていました。(※時計はこの向きで入れるみたいです・・・行きの梱包は間違えていたようです)
正直これを見ても何が何だかはよくわかりませんが、今後修理などをするときにもおそらく手元に残しておいたほうが良いかと思います。
そして愛用の腕時計と久しぶりの再会を果たしました。
文字盤には保護用のビニールのようなものが貼られていました。
パッと見て新品のようにかなり綺麗になったのが分かります。
時間もちゃんと合わせられた状態で送られてきたのも、当たり前なのかもしれませんが少し感動しました。
オーバーホール後どのくらいきれいになったのか?
実際に送る前の状態とオーバーホールした後の状態は写真でご覧になってみてください。
見違えるほどかなり綺麗になったのがわかるかと思います。
細かな小傷なども消えていて、新品に近いくらい綺麗になったなと感じました。
ベルトの隙間やベゼルの間に溜まっていた埃なども一切ありません。
お世辞抜きに自らの手で触って指紋がついてしまうのが嫌というほどきれいでした。
料金の支払いについて
最後にオーバーホール費用の支払いについてですが、千年堂は「代引き」でしか支払いができません。
クレジットカードなども使えないのでそこは少しマイナスかなと思いました。
そのため料金は費用の57,456円に加え、代引き手数料540円を加えた「57996円」を代引きで支払いました。
金額が大きいため、手元に現金を用意しておかなければならない点は少し注意しましょう。
価格や仕上がりなど全体的な満足度
最後に実際に千年堂でオーバーホールしてみてどうだったのか?といった点をまとめていきたいと思います。
「作業工程や納期」「料金価格」「仕上がりの満足度」などについて具体的におさらいしていきます。
今回のオーバーホールの工程をまとめてみる
今回のオーバーホールの作業工程は以下です。納期は実際気になるところだと思いますので、参考にしてみてください。
- ネットで無料見積もりキットの申込み
- 見積もりキットが自宅に届き、梱包して返送
- 見積もり確定のメールが届き、正式依頼
- 修理完了、手元に腕時計が到着
↓2日後
↓10日後
↓30日後
トータルで「42日かかった」というのが全工程になります。
実際にお盆休みを挟んでしまったので、普通に依頼するともう少し早められるかもしれませんが、千年堂でオーバーホールや修理の依頼をする際にはこのくらいの納期は見越しておいたほうが良いと思います。
この日程はその他の業者と比較しても、そこまで早いとも言えませんし遅いとも言えないくらいの一般的な納期だと思います。
正規サポートでオーバーホールをしても同じくらいの日数がかかるため、可もなく不可もなくといったところです。
千年堂は正規よりどれくらい安いのか?
今回は総額で「57,456円」という費用でした。
見積もり時の内訳を確認すると、まずは基本料金が正規日本ロレックスよりも安いです。
GMTマスターⅡのオーバーホール基本料金
- 正規日本ロレックス:45,000円
- 千年堂:33,500円
基本料金だけで「11,500円」の差があります。
「パッキン」や「ゼンマイ」に関しては、コスト削減のために自社パーツを使用しているとのことですが、こちらは正規でもそこまで高い部品ではありませんので、差が出ても1,000円-2,000円程度です。
他社パーツを入れると、次回正規で修理した時に壊れていなくても交換になると上でも言いましたが、この二つに関しては毎回交換される消耗パーツですので、それによる先の損失もないと思います。
ヒゲゼンマイの修正に関しても料金はそこまで変わらないはずです。
そのため結論としては、千年堂でオーバーホールをすれば「正規よりもおよそ15,000円くらいは安い」ということがいえると思います。
オーバーホールの仕上がりについて
実際に作業の腕という意味では、正直中を開けてみないと判断できかねますし、数年使ってみて発覚することもあるためなんとも言えません。
ただ返ってきてから数日間着用した印象しては、以前のような時間のズレはなくなりました。
今回はありませんでしたが、具体的な修理箇所があった際にも正規部品を使用してくれますし、交換した部品も送ってくれることがわかったので、かなり安心はできるのではと思います。
オプションのライトポリッシュについて
オプションでライトポリッシュを選択しましたが、本当にかなり綺麗になったなと感じました。
元々無料クリーニングがついているため、そこまで綺麗にしなくてもいいという方は必要ないかもしれません。
しかし小傷なども本当になくなって返ってくるので、ある程度傷が気になる方などは選択しても良いかと思います。
ライトポリッシュをした感じだと、プラス2万円の外装仕上げは必要ないように感じました。
まとめ
実際に千年堂を利用した感想としては、第一にかなり安心して利用できるのではないかと思いました。
外見はとても綺麗になって返ってきましたし、梱包やメールなどの対応も終始丁寧な対応でした。
金額に関しては「どこよりも安い」といえるほどではないように感じましたが、正規店でオーバーホールするよりは1万円以上安いですし、正規部品を使用しての修理と考えるとこんなものかなと思います。
高級時計を安心してオーバーホールに出したい、できれば少しでも安くおこないたいということであれば利用してみる価値はあるのではないでしょうか。
少しでもオーバーホールを検討している方の参考になれば幸いに思います。
あわせて読みたい記事
千年堂に修理を依頼し戻ってきて1年と2か月で時計が進む事象があり
ほかの時計修理業者に見てもらったら
①文字盤は傷ついている。
②中のオイルも劣化したまま。
③裏蓋のねじ切りがなめて開けるのに苦労した。
千年堂に確認したら、ほかの修理業者が裏蓋をあけたので責任が持てない
だったら誰がきちんと修理がされていることを確認するのかてこと・・
日本ロレックスではライトポリッシュは料金に含まれているため、基本的には部品代金の違いになるようですね。
私も知らずに、千年堂に出してしまいました。