新型コロナウイルスの世界的な流行は様々な市場へ影響を及ぼしています。
もちろんブランド業界も例外ではありません。
欧米ではルイヴィトンやシャネルといった数ある高級ブランドが店舗を自粛し、支援の声を上げています。
そういった影響を受け、中古市場にも近年稀に見る大変動が起こっています。
結論から言うと大幅に下落していますので、そういった情勢についてまとめてみました。
このページの目次
コロナウイルスが与えた中古ブランド相場への影響
中古ブランド品の相場はほぼ全て下落しています。
今、買取の需要は高まっているとされていて、テレビなどでも連日取り沙汰されていますが、相場的には売るのをオススメしません。
相場をあまり気にしない、急な換金が必要などの場合を除くと、売る側には不利な相場です。
相場下落の主な要因
一言でいうとコロナウイルスが原因であることに違いありませんが、少し細かく解説すると、
理由としては
- 世界的な中古ブランド品需要の低下
- 中古ブランドの取引市場が閉鎖
こういった点が大きな要因となっています。
欧米各国でロックダウンを伴う大規模な自粛
まずフランスやイタリア、そしてアメリカ等では大規模な自粛運動が起きています。
中古ブランドの相場は近年欧米の影響が大きく「そういった国で売れ筋の商品=相場が高い」という大きな指針となっていました。
そのためお店が自粛すれば、当然流通が悪くなり相場の停滞の一番の大きな原因となっています。
国内の中古ブランド取引市場が閉鎖
質屋オークションと言えばわかりやすいかと思いますが、中古ブランドの多くはこういった市場で流通していることがほとんどです。
買取したものを直接販売する場合もありますが、中古品の場合業者間の取引で売却される場合も多いです。
コロナウイルスの感染拡大によって、こういった業者間の取引オークションは自粛となっている傾向が強く、そのため市場に流動性がありません。
買取してもすぐに換金できない。という理由から多くの買取店では相場を下げるしかないというのが実情だと思います。
高価格帯のブランド品は顕著
特に高価格帯のブランド品に関しては、相場の下落幅もかなり大きいです。
代表的な参考例をご紹介します。
ロレックスデイトナはおよそ15%減
コロナウイルス前:買取相場190万円前後
コロナウイルス以降:買取相場160万円前後
新品バーキンはおよそ25%減
コロナウイルス前:買取相場160万円前後
コロナウイルス以降:買取相場120万円前後
このようにかなり大幅に下落していると言えます。
こういったかなり売れ筋のブランド品でさえ、20%前後は下落しているというのが大まかな傾向です。
営業自粛している大手ブランド買取店
実際に大手のブランド買取店の多くは自粛や短縮営業などの対応をしています。
コメ兵:全店臨時休業
なんぼや:一部店舗休業(80%程度自粛)
質大黒屋:店頭販売の自粛・営業時間の短縮
おたからや:営業時間短縮(一部店舗休業)
買取店に関しては多くが店舗の営業を自粛しています。
都市部はほぼ閉まっていると言っても過言ではないかと思います。
質屋に関しては、質利のやりとりが必要なため、窓口を開いているお店も多いようです。
宅配買取などで対応しているお店が多い
詳しくは各店の公式サイトなどをご参照いただきたいのですが、お店は閉まっていても宅配買取で対応しているところが多いです。
実際に売りたいという場合には、店舗持ち込みは避け宅配買取などを利用するべきかと思います。
相場は戻るのか?今後の見通し
中古ブランド業界においては、暗いニュースばかりが飛び交っているというのが実情です。
実際にどこのお店もキャッシュフローなどが悪くなっていることは事実です。
今後の情勢次第では大きな店舗の倒産なんかが起こりうる可能性すらあります。
ブランド市場の相場に関しても、全てが元に戻るのはなかなか時間がかかりそうではあります。
ここ数年は上がり続けていたブランド相場
少しおさらいをしておくと、ここ数年中古ブランドの市場は世界的にみても拡大し続けていました。
ルイヴィトンやシャネルの中古品、状態が良いものに限っては数年前の倍になっている品もかなり多いです。
またロレックスなども年々正規店の品数は減っていて、中古市場でもまさに青天井と言えるほどの過去最高値をつけていたのが去年から今年にかけての出来事です。
上がりすぎていた面も正直あるため、一旦落ちてしまった相場がどうなるかは未知というのが正直なところです。
中国では収束?すれば回復の兆しが見える
武漢から発症したとされる新型コロナウイルスですが、中国ではすでに収束ムードともニュースで報じられています。
もちろん疑念が晴れないものの、事実であれば相場回復の要因になりうるとは思います。
欧米の動向も中古ブランド市場に影響があるものの、依然として中国富裕層の影響も大きく、少しでも回復してくれるに越したことはありません。
アメリカでは自粛が2022年まで必要などの声もあり、まだまだ見通しが付かないものの、少なくとも世界中で自粛ムードとなっている現状が変わらないことには相場が回復の要因はありません。
まとめ
新型コロナウイルスによって経済活動が著しく低下しています。
贅沢嗜好品であるブランドが真っ先に買われなくなるのは、ある意味当然だと思います。
相場は買いと売りのバランスによって形成されています。
自粛により売却の需要が増えているのは間違いありませんが、購入の需要が回復しない限り相場の下落は収まりません。
一刻も早い事態の収束を祈ると共に、被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。