2019年ブランド買取業界には、大きな衝撃が走っています。2019年は定番ブランドの大幅な相場下落からスタートしました。
様々な要因もあり、近年の相場上昇傾向は一転して終わりを迎えつつあります。
当サイトに訪れるであろう買取利用者の方達も知っておいて損はない「ブランド買取業界に訪れる冬の実情」について今回は最新ニュースとしてお届けします。
このページの目次
2019年のスタートは最悪?相場は軒並み値崩れ
ここ4年間くらいの間、ブランド品の相場は上がり続けていました。
中国人の爆買いブームに始まり、それが落ち着いた後も、アベノミクスによる円安で海外需要は絶えることがことがなく、高級ブランドの定価上昇もあり、ブランド品の相場は上昇トレンドにあったと言えます。
しかし2019年に入り、いや正確には昨年末あたりから、急激な下落が起こりました。
円高・小売販売の不調
2019年は米国株価の下落、そして急激な円高でスタートしました。これにより、国内中古ブランド相場で大きな影響を持つ、海外輸出をメインにしている卸業者は息を潜めました。
また、通常であればクリスマス商戦で「中古ブランドがもっとも売れる時期」とされる12月に関しても、今年に関してはさほど売り上げが伸びず、大手買取店が軒並み在庫過多となっています。
年末から年明けにかけて、買取相場が落ちているのは主にこの二つに起因します。
エルメスのバーキンやシャネルなど高額品は軒並み下落
相場の下落が顕著だったのが、ブランド品の中でも高額品に部類される品々です。
実際に例を上げていきます。
エルメス「バーキン」の相場変動例
※ここで示している相場は業者間の取引などでの実売相場で小売販売相場ではありません。買取によりますが、ここでの実売相場は「MAXの買取価格」より少し上くらいのイメージです。
エルメス バーキン 新品相場
2018年1月 170万円前後
2018年5月 165万円前後
2018年9月 160万円前後
2019年1月 135万円前後(前年比-35万円)
新品のバーキンに関しては、定価(現在136万円程度)以上で売れる品というのが大きな特徴でした。
一年前の相場であれば、もし正規店で購入し、すぐ売りに出した場合でも、プラス35万円くらい値がつきました。それだけ希少性が高く、単純に欲しがる人も多かったということです。
しかし直近ではいよいよ定価割れしていて、実際に買取店では135万円出すことはほぼありません。
基本的に今は小売販売メインの買取店はどこも在庫を抱えていますし、一旦在庫が捌けない限りは、この相場が続くとの見通しです。
シャネル「チェーンショルダー」の相場変動例
シャネル チェーンショルダー ラムスキンヴィンテージ相場
2018年1月 20万円前後
2018年5月 22万円前後
2018年9月 19万円前後
2019年1月 14万円前後(前年比-6万円)
シャネルのアイコンでもある「チェーンショルダー」はブランドヴィンテージのブームにもっとも乗っかったと言っても良い品の一つで、ここ数年に渡り相場も大きく上昇していました。
十数年前の当時定価は20万円程度にも関わらず、新品定価の上昇、その人気の高さから、ほぼ買取価格が落ちていない資産価値の高い品でした。
ただこちらも今年に入ってから大幅な下落をしていて、ヴィンテージブームの終焉ともささやかれています。
以前までが高すぎたという見方も
ここ数年はとにかく中古ブランド相場は全体的に上がり続けていたと言っても過言ではありません。
その実情は海外の影響によるところが大きく、決して国内での売れ行きによるものではないと考えています。
中国が終われば東南アジア、東南アジアが終われば米国と、ターゲットを変えつつも、世界的には売れ続けていたという背景がありました。
世界的な売れ行きに関しては、そこまで変わったとも思えませんが、今後の円高傾向が続けば、日本からの輸出は減っていくでしょう。
そうなると国内の相場は下落するほかありません。
ここまでは偶然が重なり非常に高値の相場が続いていたとも言えますし、特にエルメスなんかに関しては、どう考えても「高すぎた」という意見も多数です。
買取に出す側も以前のような高値は厳しい
正直買取利用者の視点からみても、今の時期のブランド品買取価格は安めになってしまうでしょう。
特にエルメスのバーキンなど「高く売れて当たり前」という印象をお持ちの方も多いと思いますので、そういった方からすると今の相場はかなり寒いです。
低価格帯の品物はそこまで影響を受けていない
悲観的な話ばかりしましたが、高額品以外のブランド品はそこまで影響を受けていません。
実際、エルメス・シャネルなどは総じて下がっていると言っても良いほどですが、ルイヴィトンなど少し低価格な品はいずれも高い水準を保っています。
今後は小売販売にも影響してくる可能性も高い
今のところ、業者間の相場こそ下落しているものの、店頭での販売価格や楽天やECサイトでの販売価格が安くなっているということはありません。
しかしこの相場が続けば、販売価格にも影響を及ぼすことになるでしょう。
その間に相場が回復するかどうかが、今後大きな分かれ道となるはずです。
まとめ
新品のバーキンが軒並み定価割れを起こしたり、業界ではかなり衝撃的な相場から2019年は幕を開けました。
もっとも高いときから比較すると、40%減くらいになっている品も少なくありませんし、売る側も思ったより高値にならないというのは仕方がありません。
あまり買取店を擁護したくはありませんが、今は相場が本当に不安定ですので、今まで高値を出せていた買取店で急に値段が安くなったとしてもおかしいことではありません。
2019年のブランド買取業界はかなり厳しいものになるのではないかと思います。
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