mercariNOWキャプチャ

今年即金買取サービスで話題になった「CASH」がDMMに70億円で買収されたニュースはつい先日のことです。

そのあとを追うように、本日フリマアプリ最大手のメルカリが同じく即金買取サービス「メルカリNOW」をリリースしました。

使い勝手やCASHとの違いなども踏まえて、今年買取業界全体に押し寄せている“即金買取サービスの波”について考察していきます。

11月27日リリースのメルカリNOW

CASHが話題の筆頭だった最中、フリマアプリ業界最大手の「メルカリNOW」をリリースしました。

どのくらい前から準備していたのかはわかりませんが、トレンドを取り入れたサービスをいち早くリリースするメルカリのフットワークを軽さには脱帽します。

メルカリNOWは必要項目を記入しスマホで写真を撮るだけで即査定が可能、金額を承認すれば即入金されるというサービスです。

換金した品物は2週間以内にメルカリの無料集荷サービスを利用してメルカリに配送する必要があります。

これを利用することで従来のメルカリのように出品する手間などもかからず、売れる売れない関係なく手元の品物を即お金に換えることができます。

まずここまでで私自身が感じたことと言えば、“何から何までCASHと同じだ・・・”だということです。

上限2万円で査定額はメルカリ内のお金に反映

メルカリNOWの査定上限金額は「2万円」に設定されています。(ここもCASHと同じ)

買取成立させた品物はメルカリ内での売り上げと同様にカウントされ「メルカリ内のお金」に換金されます。

メルカリではフリマアプリを利用して品物を売却して得たお金も一度「メルカリ内のお金」とすることで、出品者側にもそのお金を使ってメルカリ内で買い物させるよう暗に促しています。

振込依頼自体は簡単におこなえますが、一万円以下の場合は手数料210円がかかります。そしてこのお金は有効期限一年間で失効します。(このあたりのシステムは本当にうまくできてるなと感心させられます・・・)

CASHは即自分の銀行口座に振り込まれる方式でしたが、メルカリNOWはメルカリ内のお金に振り込まれるため、この点は少し異なります。

開始17分でサーバー不可による一時休止

11月27日正午にサービスを開始したメルカリNOWですが、17分後にはサーバー不可につきサービスの一時休止を発表しています。

そのことはYahoo!ニュースのトップにもなっており、メルカリの影響力の高さがうかがえます。

一時休止後は3時間程度で復旧し、現在は利用可能となっています。

査定は高いのか?実際に利用してみて

今回も実際に利用してみて「査定が高いのかどうか」を検証していきます。

CASHのような査定システムである場合は、メルカリNOWでも以下の「事前の記入項目」が非常に重要であることが言えると思います。(むしろ写真ではなく、主に項目だけで査定してると思われる・・・)

  • ブランド
  • 商品カテゴリー
  • 品物の状態

査定の上限が2万円と設定されているため、高級時計などのブランド「ロレックス」や「オメガ」などは一切ラインナップにありませんでした。

「ルイヴィトン」「シャネル」はありましたが「カルティエ」はないなど、このあたりのラインナップは今後改善の余地がありそうです。

アパレルブランドは豊富にラインナップされていたため、ちょうど手元にあった「ラングラー」のミリタリージャケットを査定してみます。

定価は15,000円程度の品だったと思いますので、確実に2万円という上限に収まるはずです。

利用は簡単!ほんの数分で査定完了

メルカリアプリ内でのメルカリNOW
(写真:メルカリアプリ上でNOWを選択)

使い勝手は非常に簡単です。メルカリのアプリ上から「NOW」というタグを選択し「アイテムをお金に換える」を選択します。

メルカリNOW記入項目
(写真:メルカリNOWのアイテム登録画面)

するとこのように上記した3つの記入項目が出てくるため、埋めていきます。

あとは写真を撮影するだけです。

査定に出したラングラーのジャケット
(写真:査定したラングラーのミリタリージャケット)

写真を撮った瞬間に査定完了画面に移行します。

査定結果とメルカリでの販売相場

メルカリNOWの査定結果
(写真:メルカリNOWの査定結果画面)

ほんの数分で終わった査定の結果は「620円」という結果になりました。

まあかなり微妙な金額だなと・・・そんなものかという気がしないでもありません。(それにしても20円という端数は謎ですが)

メルカリNOWでは「メルカリでの販売実績を元にした査定金額」を算出しているとのことでしたので、メルカリでの同品の販売相場を確認してみました。

メルカリでの販売相場感
(写真:メルカリでの「ラングラー ミリタリージャケット」の検索結果)

真ん中の「5,500円」「3,500円」「6,000円」でSOLDしている品はおそらく同品だと思われます。

8,000円以上の出品も見られますが、現時点ではSOLDしていないため「実績として判断できるのは3,500円-6,000円」というのがこの品物の相場です。

結論:かなり安い

上記の検証から得た結論としては「メルカリに出品して売るよりかなり安い」ということは間違いないかと思います。

もちろんその分手間がかかることは否めませんし、この差額をどう受け止めるかは実際にサービスを利用するユーザー次第です。

しかし同じ品物をメルカリNOWで売るのと、メルカリで出品するのとでは、およそ3倍-4倍以上の値段は変わるとみて間違いなさそうです。

メルカリNOWで買取した品物は全てメルカリ内で販売する方針のようですので、楽を取るかお金を取るかはメルカリユーザーの判断にゆだねられます。

買取業界に訪れる即金買取サービスの波

今年CASHが流行り、さらにメルカリがメルカリNOWをリリースしたことで「即金買取」というのが、買取業界での一つのキーワードになりつつあります。

従来の買取の場合は店頭に持ち込むのが手間、それに対して発展したのが宅配買取サービスでした。

しかしそれでも配送などの手間はかかりますし、その次に登場したのがCASHやメルカリNOWのような即金買取サービスです。

このように買取業界ではサービス形態の革新が大きく進んでいます。

サービスの利便性に伴い査定額はどんどん減少傾向に

すぐにお金が振り込まれることがすべての買取ユーザーにとって理想であることは間違いありません。

しかしそれに引き換え査定額もどんどん減少傾向にある点も否めません。

前回CASHを利用した際にも感じたことですが(過去の記事「目の前の品物を一瞬で現金化!?新たなネット質屋サービス「CASH」でブランド品を換金してみた!!」)、やはり画像認証や、簡単な記入項目でのカテゴライズでは、正しい査定=高い査定を出すことは難しいと感じます。

今のままでは「手間がない分、安く売るサービス」にほかならないのです。

画像認証の精度が上がり、一点一点の品物を正確に査定できるならこれほど素晴らしいことはありませんが、現状の査定額を引き換えにした利便性、即金性の追求には正直疑問を感じるとしか言わざるを得ません。

もちろん業者としては儲かりますから、経営方針としては素晴らしく有能だと素直に感服します。

最後に余談ですが・・・

メルカリNOWでは一日の取引上限が「1,000万円」で、それまでの残額がアプリ上に表示されています。

上限が500万も減ってる
(写真:メルカリNOWの残高が2時間で500万円も消化される)

ちなみに私が利用したのが15時31分で「残り797万円」でしたが、ほんの2時間ちょっとですでに「残り262万円」まで減っています。

メルカリの市場は本当に恐ろしい規模だなと感じます。それと同時に即金買取の市場も徐々に広がっていることは間違いなさそうです。