偽物のバーキンを販売したとして逮捕者が出たとニュースになっていました。
逮捕された女性はメディアなどにもたびたび出演した経歴もある有名な若手起業家だったため、このニュースも各所メディアでも大きく取り上げられました。
しかし偽物のバーキンの販売で逮捕される例は後を絶たず、毎年のように何人もの逮捕者が出ています。
今回はこのようにブランド業界の裏に蔓延る「偽ブランド品」の実態などをご紹介していけたらと思います。
このページの目次
後を絶たない偽バーキンの販売業者
エルメスのバーキンといえば100万円を超える超高級バッグとしても知られていますが、ハンドメイドによって生産数が制限されることから手にしたくとも、なかなか正規ブティックでは購入できない品としても有名です。
そのため中古品の価格の高騰はすさまじく定価以上で売ることができるバーキンも少なくありません。(※詳しいバーキンの売値などはこちらのページを参照に)
それだけ人気が高い反面、偽物を販売する業者なども後を絶ちません。
単純に偽ブランド品といっても大きく分けて種類は2つあります。
- 一つはブランドロゴなども完璧にコピーされた品
- もう一つはブランドロゴなどは入れずにノーブランド品を装うが外見が酷似している品
一つ目に関しては「完璧に偽物」と判断される品です。
いわゆる「スーパーコピー品」とも言われていますが、ネットではこれを本物と偽り販売している業者も見受けられます。
二つ目に関しては線引きがかなり難しい偽物です。パッと見て判断することは難しくとも、細かい部分を見れば明らかに偽物だとわかる類似品のことです。
今回逮捕された女性社長は報道を見る限りは後者であると推測されます。
類似品はどこまでがセーフ?
偽ブランド品に関しては「輸出入」「製造」「販売」「販売目的での所持」すべてが違法になります。
問題は上で紹介したブランドの類似品がどこまで偽ブランド品として裁かれるかです。
偽ブランド品の販売などは「商標権の侵害」の罪に当たります。
商標権の侵害に当たるかどうかの基準は「業」としてその品物を取り扱いしたかどうかが焦点となります。
簡単に言うと“大元のブランドの名前や信頼を利用して類似品の販売をおこないビジネスをおこなえばアウト”と解釈していただいてよいのかなと思います。
通販で手軽に購入できる偽ブランド品
偽ブランド品は検索すれば簡単に通販サイトなども見つかり、そこから購入することができます。
こうして通販で販売している業者の多くは中国人の業者です。
アダルトサイトなどと同じで海外にあるサーバーを使用してサイトを運営しているため、日本の法律で裁けないという理由があります。
今後厳しく規制されていくことが望まれますが、今日では偽ブランド品を簡単に手にできるという現状があります。
ちなみに売った側は当然処罰の対象になりますが、買った側は処罰の対象とはなりません。
偽ブランド品販売の実態について
ここからは私が知っている偽ブランド品の実態について少しお話していきたいと思います。
エルメスのバーキンの偽物も有名ではありますが、大元がかなり精巧な作りをしていることにより、プロの鑑定士が見れば比較的簡単に偽物と判別できるような品が多いです。
プロが見ても偽物か本物か判別できないというような精巧な偽物はほとんどありません。
逆にプロが見てもわからないような精巧な偽物が多いブランドが「クロムハーツ」です。
もっとも悪質な偽ブランド品クロムハーツの例
シルバーやゴールドを使用したアクセサリーがメインのクロムハーツは他と比べても、かなり特殊な高級ブランドといえます。
それだけにコピーが容易くおそらくもっとも偽物が多く出回っているブランドのひとつです。
偽ブランド品の販売に関しては業者の数がとても多いといいましたが、製造元として偽ブランド品販売の大元がいるケースもかなり多いです。
偽ブランドを製造販売する大元の業者
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通販業者や販売業者がそこから購入
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お客へ販売
クロムハーツの場合だと特にシルバーなどはとても原価が安く、低価格でプロでも見分けがつかない偽物を製造することができます。
高額な品では「22K」を使用したアクセサリーもありますが、偽物では素材に「ブラス(真鍮)」を使用しその上からゴールドメッキを塗ったものを使用して精巧な偽物が製造されます。
30万円の品物がわずか800円で製造されている
実際にクロムハーツの人気製品「ベビーファットクロス 22K ダイヤパヴェ」などは多くの偽物が出回っています。
(引用元:楽天市場)
定価で買うと30万円近くするこの商品ですが、偽物は以下のような流れで製造され販売されます。
- 22K部分はブラスにゴールドメッキをコーティングしたものを使用
- ダイヤの部分には人工ダイヤを使用
これで原価は800円です。
さっきのルートで説明すると
大元の業者が800円で製造
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二次販売業者に5,000円で販売
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オークションやフリマサイトで4万円ほどで販売(※当然本物として)
クロムハーツに関しては買取業者では取り扱いしていないところも多いほど真贋の目利きが難しいのを逆手に、フリマアプリやオークションなどでは本物としてこうした偽物が販売されています。
エルメスのバーキンの場合は精巧な品が少ないとはいえ、中には本物だと思って偽物を購入していたという方もいらっしゃいます。
金額の大小ではないとはいえ、偽物を100万円近い金額で購入させるのはかなり悪徳な商法です。
SNSやフリマアプリ繁栄の副産物
偽ブランド品の製造や販売は違法とはいえ、多額のお金を儲けることができるというのは想像に容易いかと思います。
そして今の時代ネットオークションだけでなく、メルカリをはじめとするフリマアプリなどでも簡単に偽物を売ることができてしまいます。
インスタグラムなどを利用して集客し、メッセージでのやり取りで偽ブランド品を販売している業者も存在します。
今回逮捕された偽物バーキンを販売していた会社の以外にも、個人でおこなっている偽ブランド品販売業者を含めたら、それこそ数え切れない人数が偽ブランド品の販売に加担している現状があります。
偽ブランド品の仕入れや販売はSNSやフリマアプリなどの繁栄により手軽になってしまったといっても過言ではありません。
とにかく買わないを徹底してほしい
偽ブランド品を購入するのは虚栄心です。
人間の心からこうした感情を取り除くことは難しいですが、買う人が減れば偽ブランド品を販売する業者は自ずと減っていきます。
気軽な気持ちで購入できてしまう今のネット社会ですが、どうか気軽な気持ちで偽物を購入する人が一人でも減っていただけば業界も少しは明るくなるのではないかと思います。