現代人のリサイクルへの意識は近年高まっています。
それに伴い物を新品で購入するのではなく、中古品やレンタルで十分といった意識も高まり、あらゆる物の中古品やレンタル品が手に入れやすくなっています。
その他にもメルカリなどCtoCサービスも急成長し、今までオークションなどを利用していなかった層まで、自分の「所持品を手軽に売る」ということが浸透してきています。
今回はそういったデータや時代背景を照らし合わせながら、近年のリサイクル・リユース事情を考察していきたいと思います。
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不要なものを他人へという意識が増えている
近年では不要なものを捨てるのではなく「誰かに利用してもらう」という意識が急速に高まったように感じます。
リサイクルショップなどを利用する人も増えていて、「ブックオフ」や「ゲオ」といった大手企業が本来のメディア製品以外にも、古着やブランド品などに多岐にわたり展開する傾向も強いです。
もちろんそれ以外にも「フリマアプリなどを利用して物を売る」ことが若者を中心に生活に根付きつつあります。
単純に物以外にも「ココナラ」のように、自分が持っているスキルを販売・共有できるサービスも登場しています。
リサイクルやレンタルの需要が増えた背景
(引用元:リサイクル通信)
このデータを見ると以下のように、現代人のリサイクルや中古品の利用に対する意識が非常に高いことがわかりました。
- レンタル品や中古品の利用に抵抗はない
- 不要な物は捨てずに譲ったり売ったりしたい
67%:抵抗ない
33%:抵抗がある
81%:そう思う
19%:そう思わない
リサイクルへの意識が高まったことには景気や社会情勢も大きく影響していることでしょう。
景気が良い経済成長期においては、消費者は「新品」の製品を買い求める傾向が強く、中古品などの売れ行きは悪くなります。
同時に利便性を求めた結果、使い捨ての用品などが増え、人々の「リサイクル」という意識は非常に薄くなりがちです。
再認識されるリサイクルの重要性
現代のように景気が落ち着いてきて経済が成熟した今日、改めて物を再利用する重要性を認識してきていることが、上の数字からも見て取れます。
リサイクル製品やレンタル事業に注目が集まるのは、まずは時代背景というのが一番大きいといえます。
メルカリやCASHなど新たなリサイクルアプリの登場
近年のリサイクル市場でもっとも脚光を浴びているのが、フリマアプリの「メルカリ」でしょう。
メルカリは利用者数1300万人を突破したフリマアプリですが、その特徴はユーザーの過半数が女性ということです。
国内CtoCサービスの市場規模では一位の「ヤフオク(利用者数1500万人)」を猛追する形ですが、こちらは過半数が男性ユーザーとなっていて、メルカリが新たな市場を開拓したことは言うまでもありません。
その他にも今年注目を集めた「CASH」に関しても、手軽に写真を送るだけで手軽に査定が可能で、所持品を換金できる斬新なものでした。
このようにリサイクル需要が高まる中で、新たなサービスがどんどん登場してきています。
レンタルできないモノはほぼない!?
リサイクル・リユースサービスと並行してレンタル品サービスも増えてきています。
最新の珍しいレンタル対象品は以下のようなものがあります。
- カメラレンタル
- お掃除ロボット(ルンバ)レンタル
- ブランド品・腕時計レンタル
- 布団レンタル
- 携帯電話レンタル
- 友人・家族・恋人レンタル
様々な事業を手掛けることで知られる「DMM」は、率先してあらゆる物のレンタルサービス「DMM.com いろいろレンタル」というサービスも展開していて日々その品目も増えてきています。
恋人までレンタルできるとなれば、もはやレンタルできないモノ(?)はないといっても過言ではありません。
近年のリユース市場の動向
リサイクルへの意識が高まるにつれて、リユース市場にも変化が訪れています。
今までは「ブランド品や貴金属」はたまた「家電」などの、資産価値が高かったり利用価値が高い品目を対象とするサービスが主でしたが、近年では幅広いジャンルの品物のリユース業者も増えてきています。
あらゆる嗜好品の専門リユース業者が増えている
嗜好品の専門リユース業者は各ジャンルごとで急速に増加してきている傾向があります。
こちらも代表的な例を以下でまとめます。
- スマートフォン・携帯
- スポーツ用品
- 自転車・パーツ部品
- お酒類
- アイドルグッズ
- サバゲーグッズ
これらの品物は、いまや多くの専門業者がひしめく買取激戦区となりつつあります。
リユース業界にも新たな業者が続々と進出してきていて、消耗品以外の品がすべて買取で売れるようになる時代が来てもおかしくはありません。
手軽にあらゆる物が売りやすい時代になりつつある
リサイクル意識が高まると同時に、物を売るというインフラも次第に大きくなってきています。
メルカリなどフリマアプリの利用者はまだまだ増えていく余地がありますし、嗜好品などの専門分野においては専門知識を持つ業者が今後ますます増えていくのではないかと思います。
リサイクルやリユースが極端に増加することが、経済にとって良いのか悪いのかは正直わかりません。
新品を求めずに、繰り返し長く使うという行為が、新たなイノベーションを妨げることになるかもしれません。
しかし増え続けるごみ問題という一点を思えば、その行為は確実にゴミになるものを減らすことにつながるでしょう。
一長一短ではありますが、物を捨てるという行為が減ることは善い事なのではないかとリサイクルへの意識が高まるというデータを受けて感じました。