ブランド品の偽物やコピー品はいまだになくなりません。
しかしブランドの偽物を販売することは「商標法違反」となるれっきとした犯罪行為です。
個人での使用を目的に購入すること自体、現状は刑事罰の対象とはならないものの、犯罪を助長する行為であることを自覚してください。
そして虚栄心を満たすために偽ブランド品を所持しても何も得るものはありません。
今回はネット上に蔓延する「偽ブランド品」「スーパーコピー品」の現状を、買取業界の裏事情なども交えて解説していきたいと思います。
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このページの目次
世に蔓延する偽ブランド品やコピー品の数々
ブランド品の偽物を販売するのは違法です。
・粗悪品や偽ブランド品を販売することは、詐欺、商標法違反、不正競争防止法違反等に当たる場合があります。
出典: 警視庁相談窓口
それにも関わらず、偽ブランド品の数は一向に減りませんし、ぱっと見では本物とそん色ないほどクオリティの高い「スーパーコピー品」なんていった品も出回っています。
低く見積もっても流通しているブランド品のバッグの5%-10%程度は、こうした偽物の商品が混じっているのではないかと感じます。
何故偽ブランド品を購入してしまうのか?
偽ブランド品を購入する真理としては「本物のブランド品がほしい・・・でも本物は高いしできるだけ安く購入できたら・・・」というものが根底にあります。
近年のアウトレットブームなどを見てもその傾向はうかがえます。
ブランド品を所持することで他人から羨望のまなざしを受けることもありますし、そうした小さな見栄を張る心から違法とわかっていても購入に走ってしまうのだろうと思います。
気持ちはわからないでもありませんが、販売している業者は犯罪組織と一緒です。
小さな虚栄心が犯罪を助長しているということを、心に刻んでいただきたいです。
偽物・スーパーコピー品はどこで売られているのか?
こうしたブランド品の偽物やスーパーコピー品が販売されているのは、ほとんどがネットです。
もちろん販売する側も違法行為であることは承知していますから、表立って店を構えたりしていることはほぼありません。
実際にGoogleで検索してみると、偽ブランド品が売られているお店に簡単にたどり着けます。
(画像:見事に1位から10位まですべてコピー品販売サイトとなっています。)
個人的には関連する検索キーワードの「ブランドコピー 優良店」「ブランドコピー 安心」というところに闇の深さを感じました。(そもそも違法販売なのに優良店やら安心とは・・・)
偽ブランド品の購買欲が高い検索ユーザーが多いことも予想できます。
上位の販売サイトをクリックしてみると、簡単に偽ブランド品を購入することができる通販サイトとなっていました。
「詐欺サイトの見分け方」という面白いバナーも発見することができました。
このサイトは会社概要も掲載されていて、一応信頼できることを謳った販売サイトのようです。(おそらく会社概要もデタラメだと思われますが)
とにかくこうした悪質な販売サイトに検索から簡単にたどり着けてしまいます。
何故取り締まれないのか?と思われるかと思いますが、サーバーを外国に置いてあったりと現状日本の法律では裁くことができないようになっているからです。
そのため実際に偽ブランド品の通販サイトを運営しているのも中国人など外国人であることが多いです。(※よく見るとサイト内の要所要所で日本語がおかしい部分なども発見できます)
品物はどこから送られてくるのか?
基本的に偽ブランド品は海外から発送するケースが多いですが、この場合税関でストップがかかる可能性もあります。
そのため近年では国内に生産工場を置いていて、国内から発送するケースもあるようです。
いわゆる偽ブランド品の詐欺サイトなどでは購入しても、品物が届かない場合であったり、写真とまったく別物の粗悪品が届く例もあります。
フリマサイトやネットオークションもコピー品の温床
業者が運営する悪質な通販サイト以外にも、皆さんが広く利用しているフリマアプリやネットオークションにも偽ブランド品は多数出品されています。
一見本物のように見えても、相場より明らかに安い品物に関しては、ほとんどが偽物といっても過言ではありません。
下記のサイトの記事では大手CtoCサイトでハイブランドを12点購入してみたところすべてが偽物だったと記載されています。
偽物販売でより利益を出すためには、安価な偽物を高値で売りさばく必要があります。
そのため偽物でも低価格な品は、見た感じでは本物のように見えても、ロゴ部分や金具、縫製などを見れば明らかに粗悪品とわかる品も多いです。
価格以外にも、そうした細かい部分の写真が掲載されていないような品も高確率で偽物といえます。
偽ブランド品の販売・製造は商標法違反
偽ブランド品の販売や製造は商標法違反という犯罪に当たります。
あくまで個人の使用を目的した購入は罰せられませんが、利益を出す目的で転売などをおこなうと処罰の対象となります。
偽物を購入してメルカリなどで売るのも違法
偽物を購入するまでは違法ではありません。
しかしそれを販売してしまったら、たとえ業者でない個人であっても処罰の対象になります。
事実フリマアプリやオークションでも偽ブランド品の出品者は多数いて、逮捕者も出るほど社会問題にも発展していっています。
あくまで偽ブランド品と知って、その品物を販売してしまったらもう悪質業者と変わらないのです。
買取や質屋に持ち込む人もいまだに多い
ブランド品の買取店や質屋に偽物やコピー品が持ち込まれるケースはとても多いです。
騙そうとして持ち込むケースと、偽物と知らずに持ち込むケースは実際には半々くらいです。
知らずに持ち込む人もとても多いことから、偽ブランド品は本当に世の中に多く流通していることが感じられます。
当然、偽物とわかって買取や質入れさせる業者はありません。
買取業者や質屋の査定基準とは
中古のブランド品を扱う業者にとって偽物をつかまされてしまうことは一番やってはならないことです。
そのため真贋判定はもっとも気を遣う部分です。
ですが、あくまで中古を取り扱う業者は「この品物は本物の商品だ!」「これは絶対に偽物だ!」などと断言することはできません。
これを証明できるのは商標権者であるブランド側のみだからです。
そのため仮に査定に偽物の商品を持ち込まれても「偽物なので買取できません」とは言わず「当社の規定により買取はお断りさせていただきます」といった表現で断ります。
あくまで真贋の基準は各社独自の経験や知識の元で作り上げられていますが、持ち込まれた偽ブランド品やコピー品の情報は同業者間で広く共有されています。
新しいコピー品が出れば、社内の鑑定士で研修などをおこない、日々鑑定の目を鍛えるようにしている業者がほとんどです。
ですが偽ブランド品も日々進化しているため、ある意味イタチごっこのような現状です。
購入者が多いとその分高品質な品が生産されてしまうのです。
偽ブランド品が増えれば高く買取できなくなる
偽ブランド品の購入者が増えることによる弊害としては、ブランド品そのものの価値が落ちることが懸念されます。
特に買取などで売る際に高く売ることができなくなる可能性が高いです。
すでに起こっていることでいうと「高く売るための基準」がかなり厳しくなっていきます。
ブランド品の鑑定をする人であれば、基本的には保証書などを見ないで品物だけを見て判断し真贋を下すことができます。
ですが、あまりに精巧なコピー品が多いと以下のような対応が取られるブランドもあります。
- 保証書や購入時のレシートなどがないと買取しない
- 現品だけだと査定額が半額以下になる
偽物がほぼ出回っていないブランド品であれば、基本的に保証書などがあっても査定は変わりません。
しかし精巧な偽物が多く出回り、業者も誤って買取してしまうリスクが高まってくると、ブランドが発行する保証書があることが前提となってきます。
実際に「偽物のロレックスを100万円で買取してしまう」などの例もありますし、こういうことが起きると業者側も全ての利用者に疑心暗鬼にならざるを得ません。
偽ブランド品が増えて偽物ビジネスが進化していくことで、売るときのハードルが上がっていっています。
購入者のみしか正規サポートに応じないブランドも
ブランドによってはそもそも購入者しか、壊れた際などの正規サポートに応じないというところもあります。
購入時の履歴や顧客情報をストックし、二次的に入手した品は一切サポートに応じないというのです。
こうなると中古品の価値としてはかなり下がってしまいます。
ブランドが偽物の対策に力を入れることで、純粋に中古品を購入したいといった人にまで弊害が生じてくるのです。
偽ブランド品は絶対に購入しないこと
何度も言いますが、偽物ブランド品を売ることは犯罪です。
それを購入することでその犯罪に荷担するだけでなく、ブランド品の価値を損ねることにもつながります。
虚栄心から偽ブランド品を購入しても得られるものは何もありません。
もしそれを所持したことで他人からの評価が変わったとしても、それは本当の自分ではありませんし、そうした虚栄心は後々自分の首を絞めることにも繋がります。
ブランド品を身に着けることはあくまでも身の丈にあっていなければ意味がないのです。
そうして偽ブランド品を購入しようとする人が、一人でも多く思いとどまっていただけることを願っております。
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