ルイヴィトンのデザイナーとしても有名な「MARC JACOBS氏(マーク ジェイコブス)」自らが手がけるブランド「MARC JACOBS(マーク ジェイコブス)」のセカンドラインである「MARC BY MARC JACOBS(マーク・バイ・マーク ジェイコブス)」が統合によって実質撤退したのは2015年の3月。ちょうど二年前になります。
そして今回はマークジェイコブスのメンズラインの撤退が発表されました。
人気ブランドの立て続けのブランド縮小にユーザーからも悲しみの声が上がっています。今回はそんなマークジェイコブスというブランドについて詳しくお話していきたいと思います。
このページの目次
マークジェイコブスってどんなブランド?
マークジェイコブスは1986年に設立されたブランドです。とにかくまずは名前がややこしいので以下のように整理しておきます。
- 設立者:MARC JACOBS氏
- ブランド名:MARK JACOBS
- セカンドライン:MARC BY MARC JACOBS※
(※マークバイマークジェイコブスは本体に統合されて今はありません)
このようにブランド名と設立者(デザイナー)が同じ名前です。ここまではけっこうよくありますが、さらにセカンドラインまで「MARC BY MARC JACOBS(マークバイ・マーク ジェイコブス)」という名前だったので、より意味が分からないという日本人ユーザーも多かったはずです。
デザイナーであるマークジェイコブス氏は当ブランド以外にも1997年-2014年まで「Louis Vuitton(ルイヴィトン)」でもファッションデザイナーを務めるほどの著名人です。しかしながら1986年にマークジェイコブスの立ち上げの際には日本のアパレル企業である「オンワード樫山」に資金援助を受けて、ブランドを設立したとの背景もあって大の親日家としても知られています。
セカンドライン「マークバイマークジェイコブス」は2015年に統合
マークジェイコブスのセカンドラインである「マークバイ・マーク ジェイコブス(※以下MARC BY)」も一時は本家を上回るほどの人気があったように感じます。セカンドラインとは本家ブランドから派生したブランドのことで、本家のターゲットとはずらしていたり、値段が少し安い場合(廉価版)なんかも多いです。
マークジェイコブスの場合もセカンドラインである「MARC BY」は本家よりも安い価格設定で展開されていました。そのため日本でも若い女性を中心に高い人気を誇っていましたが、2015年に本家マークジェイコブスとの統合によってなくなってしまいました。
これに関しては売れなかったというよりは戦略的な統合という見方がされています。
以降は値下げ傾向もあった
セカンドラインが統合したことによって、本家マークジェイコブスも影響を受けます。二つあった際には本家はハイブランド、セカンドラインのMRAC BYは少し低価格のファッションブランドという差別化がされていましたが、MARC BYがなくなったことで本家マークジェイコブスも値下げをし始めます。
メンズラインはなんで撤退するの?
当然撤退の理由としては単純に売れなかったというのが一番だと思います。マークジェイコブス自体若い女性を中心にファッショナブルで前衛的で奇抜なデザインが評価されたのに対して、メンズライというのは正直知っている人も少ないくらい浸透していませんでした。
価格も決して安いとは言えない価格帯での展開でしたので、単純に人気が出なかったのが撤退の理由です。実際にこの手のハイブランドとファッションブランドの中間メンズラインというのは成功例も少ないです。
マークジェイコブスの今後
全体的に人気が下火となった理由にはブランドイメージの低下だといわれています。簡単にいうならば安っぽいイメージが付いてしまったということです。MARC BYの人気が高まったことによって、売れはしましたが本家マークジェイコブスでも「そこまで高くないブランド」というイメージが付いてしまったのは事実です。
そしてそれ以降統合によって値下げしたことも裏目にでた印象です。日本ではブランドはブランドらしくないと売れないといわれています。誰もが見たら一目でわかる「ルイヴィトン」や「シャネル」がなんだかんだで人気なのです。
それに引き換えマークジェイコブスは奇抜なデザインなどで勝負してきたブランドです。ブランドイメージを高めることができるかどうかが今後を左右するのではないかと思います。
買取目線でのマークジェイコブス
せっかくですので買取業者目線での話や、マークジェイコブスは売れるのかどうか?などの話も少しだけしておきたいなと思います。
「MARC JACOBS」及び「MARC BY MARC JACOBS」に関してはブランド品の買取市場において、ヴィトンなどのハイブランドと同列で語ることはできません。
実際にアクセサリーなどは女性の間でも人気があり、中古でもそこそこ需要がありますが、やはり比較的低価格であることで業者から見ると買い取りしてもそこまで旨みがないブランドという認識になっています。
コーチやケイトスペードなどと比較して
同価格帯のブランドとしては「COACH(コーチ)」や「Kate Spade(ケイトスペード)」などがありますが、この辺りはいずれにせよ高額買取とはなりません。
具体的な買取率でいうとせいぜい定価の10%くらいで、20%行く商品はまずないといっても良いくらいです。買取できないとまではいきませんが、売るとしてもかなり低価格になるのは避けられないブランドです。
アクセサリーは10%前後の買取率で、アパレルとなるとそれ以下の価格になってしまうでしょう。
元の定価が安いと中古での価格差がそこまで生まれません。そうなると新品で購入する人が多いため、買取業者としては高い品物、高いブランドにほど売れる可能性が高く、高額買取になる傾向があります。
良くも悪くも流行に左右されやすいブランド
マークジェイコブスはまだブランドとしての地位を確立しきってはいないブランドだと思います。知名度としてはまずまずだと思いますが、ブランドのアイコンとなるような商品やラインなどはまだまだです。
そのためファッション業界の流行に左右されやすい側面があります。今後の動き次第では一躍有名になって値段も上がっていく可能性だって0じゃありません。
MARC BYの統合から今回のメンズの撤退などのニュースが続いていますが、今後が注目されるブランドのひとつであることは間違いありません。
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